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2018/05/30

第2回J.S.A.ブラインドテイスティングコンテスト予選 受けて来ました!

第2回J.S.A.ブラインドテイスティングコンテスト予選に行ってきました。

第2回J.S.A.ブラインドテイスティングコンテスト予選に行ってきました。

日時:2018年5月30日(水)
場所:ホテル雅叙園東京

<スケジュール>
14:00 ~ 14:30 受付
14:30 ~ 14:40 入場
14:40 ~ 14:45 オリエンテーション
14:45 ~ 15:15 テイスティング(30分)

参加者は200~300人くらいいたでしょうか。
広い会場でほぼ満席でした。

■禁止事項

会場に一旦入ると、再入場はできません、事前にトイレに行っておきましょう。
もちろん入るときに注意事項としてアナウンスされます。

本日は夏日で蒸し暑かったのですが、会場は冷房がしっかり効いていて、上着をクロークに預けたことを少し後悔。
ただ、試験時間は短いので寒くて震えるって感じではなかったですね。

会場内で携帯電話やスマホを使ったら即退場で、もちろん撮影もNG。
掛け時計はないので、時間が気になる人は腕時計していった方がいいかもですね。
終了5分前にはアナウンスがあります。

入場時にグラスにお酒は注がれている状態ですが、匂いを嗅いだり触ったら退場です。

■回答項目

撮影はNGなので、記憶にある範囲です。
違っているかもしれませんので、ご容赦ください。

<ワイン>

・主要品種
・生産年
・生産国
・生産地区
・販売価格
を直筆で記入、カタカナでも現地の言語でもOK。

<日本酒>

・主要品種
・特定名称
・生産県
・固有名称
・精米歩合
・アルコール度
・販売価格
だったと思います。

<リキュール>

・主要品種
・生産国
・生産地区
・固有名称
・アルコール度
・販売価格
だったような・・何か足りないような気も。。

■解答
あくまで私の解答なので、正しい答えではありません。
というか、たぶん違ってます。。

◇白ワイン①

こってりしたリッチで樽香のあるタイプ。
果実味も甘みもあって、ニューワールドの印象。
さすがにコンテストにシャルドネは出ないだろうと最初は思ってましたが、一周回って出るかも、と考えを切り替え、日本のシャルドネを選択。
登美の丘をイメージして、シャルドネ 日本 山梨 3500円と解答。

◇白ワイン②

外観は淡めで、香りがアロマティック。
イメージとしてはゲヴュルツトラミネールやヴィオニエ、トロンテス。
甘みもあるけど、かなり酸味が強く、ニューワールドというよりはドイツワインっぽい印象。
これは、アルザスのゲヴュルツトラミネールを選択。
終わってから考えると、ドイツワインって選択肢もあったかも・・

◇赤ワイン①

野趣あふれるワイルドな香りのタイプで、少なくともグローバル品種ではなさそう。
テンプラニーリョとか、カベルネ・フランをイメージしたけど、味わいはまろやかで甘味がありニューワールドの印象。
アメリカっぽさを感じたので、アメリカらしい品種ということでジンファンデルをチョイス。
産地は良くわからないので、とりあえずカリフォルニア。

◇赤ワイン②

フォクシーフレーヴァーがあり、日本の品種に絞る。
前回のソムリエ協会セミナーで「ヤマ・ソーヴィニヨン」なんて出ましたが、さすがにそれはないだろう・・と思い除外。
マスカット・ベーリーAにしては、ちょっと野性的、かと言ってキャンベル・アーリーほどのフォクシー感でもない。
過去一度飲んだことのある、「ツヴァイゲルト・・なんとか」みたいなやつがイメージが近いかも・・・と一生懸命思い出してみるものの、正確な名前を思い出せず、まあいっか、と「ツヴァイゲルトベーゼ」と記入。
終わってから調べてみると「ツヴァイゲルトレーベ」が正解・・・
かなりチャレンジングな選択だったけど、品種名を間違えて撃沈です。

◇日本酒

素直でまろやかスッキリと美味しいタイプでしたが、醸造用アルコールが入っている印象だったので、純米ではない吟醸を選択。
精米歩合は50%と記入したのですが、吟醸の精米歩合って60%でしたね。
これも完全にアウトですね。
使用米はまったく分からないので最初に「愛山」と記載したものの、安全をみて「山田錦」に変更。
北の方の安定感のある印象と勝手に想像して、新潟の八海山にしておきました。
選択ではなくて記入方式なので、漢字が簡単なやつで。。。

◇醸造酒

これはもう「グラッパ」しかない、という味わい。
トスカーナのスーパータスカンあたりのグラッパをイメージして、生産地区は「トスカーナ州」使用品種は「サンジョヴェーゼ」売値は5,000円と回答しました。
で、終わってからハッと気がついたのですが、ひょっとしてこれは国産のグラッパ??
最近日本でもグラッパが作られてるみたいですからね~。
簡単じゃんと思ったけどひっかけ問題だったかも。

■まとめ

決勝進出者の結果発表は6月8日らしいのですが、出題品種等は公表されないようです。
ちょっと残念。。。

でも静かな試験会場で、あれこれ推理して回答を導き出すのは日常生活から離れた空間で、とても楽しかったですね。
また機会があったら受けてみたいですね。

■正解発表ありました!

予選通過の発表に合わせて、正解発表がありました。
残念ながら予選通過はしませんでしたが、これだけ外せば当たり前ですね。
ワインエキスパート試験に出るような、いわゆる主要品種はありませんね。
面白いラインナップです。
ジョージアのワイン、飲んどかないと。。。

◇白ワイン①

主要品種:シュナン・ブラン
生産年:2015
生産国:南アフリカ
生産地:パール

◇白ワイン②

主要品種:ルカツィテリ
生産年:2015
生産国:ジョージア
生産地:カルトリ

◇赤ワイン①

主要品種:カルメネール
生産年:2016
生産地:チリ
生産地:カチャポアル・ヴァレー

◇赤ワイン②

主要品種:ツヴァイゲルト・レーベ
生産年:2015
生産国:日本
生産地:長野県(塩尻市桔梗ヶ原)

◇日本酒

主要品種:五百万石
特定名称:吟醸酒/特別本醸造酒
生産都道府県:新潟県 
アルコール度:15%
精米歩合:55%

◇醸造酒

使用品種:フランボワーズ/ラズベリー
タイプ:ブランデー/オー・ド・ヴィー
生産国:フランス
生産地:アルザス
アルコール度数:40%

2018/03/02

2018年ソムリエ協会例会セミナー「テイスティングのコツ」

2018年ソムリエ協会例会セミナー「テイスティングのコツ」

ひさしぶりにソムリエ協会例会セミナーに出席してきました。

実践的な内容で、明日からでも使えるようなテクニックやコメントのノウハウ、さらに8種類の美味しいワインが飲めて、とても充実したセミナーでした!

■セミナー概要

開催日:2018年2月27日(火)14:00~16:00
会場:横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ 5F宴会場「 日輪」
講師:森 覚 ソムリエ協会常務理事
定員:280名(満席)

テーマ:「テイスティングのコツ」
テイスティングは感覚的に表現するに留まってしまうと、かえって理解から遠ざかってしまいます。この色合いは、このフルーツの香りは、この酸味のタイプは、アフターフレーバーは、テイスティングにより感じられた特徴を分析、判断、理解へと繋げてゆく、論理的なテイスティングは、品揃え、サービス、ペアリング、楽しみ方へと広げてゆくことができます。

■森 覚(もり・さとる)ソムリエ

今回のセミナーの講師、森覚氏は第15回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクールの日本代表で出場、8位に入賞された方なので、業界では超有名人ですね。
<プロフィール>
http://www.conradtokyo.co.jp/news/detail/2749
しゃべりも面白くて、2時間あっという間で、とても良いセミナーでした。

■セミナーの構成

通常だと最初の1時間を講義、後半の1時間がテイスティング、ということが多いのですが、今回は8種類ブラインドでテイスティングするということで、もう最初からワインが注がれて、テイスティング開始です。

2杯を比較してテイスティングするという方法で、白ワインが2セット、赤ワインが2セットの、合計8種類。
全部飲んじゃうと酔っ払っうので、紙コップに吐き出すようにしないといけないのですが・・・美味しいとついつい飲んじゃうんですよね。

写真撮影および録音は、自分の勉強のためであればOKと、以前とくらべると大分寛容になってきました。
SNS等への投稿もOKですが、全国で同じワインでのセミナーを行うので、ワインのネタバラシはやめてくれとのことでした。
というわけで、今回はテイスティングのテクニックに関する内容だけまとめてみます。

■テイスティングの目的

目的をもってやらないと、ただ感想を述べるだけの飲み会になってしまう。

・分析し活用につなげる
・感覚を磨き、それを表現する力を身につける
※ちゃんと言葉にして表現できないとダメってことですね。
・欠点を探すのではなく長所を見つける
・主観(あくまで自分の感性)でコメントする
・先入観をもたない
※これ重要ですよね

■テイスティングのフォームをつくる

必ず自分の「フォーム」を作る。
「フォーム」とはコメントの順番や、判断の基点や軸などで、どんなワインがきても崩れないようにすることが重要。
とても甘いワインや、酸化しているワインなど、一部にすごく特徴のあるワインが来ても、外観→香り→味わい→アフターなどの順番は崩さないようにする。

■外観

森氏が推奨していたのは、ほぼ呼称資格試験の項目と同じ感じです。

・清澄度
・輝き
・色調
・濃淡
・ディスク、粘性
・泡立ち

■清澄について

意図して澱を残すなどしたワインは濁っている場合があるが、基本的にはクリアなワインが多い。
クリアなほど、醸造テクニックがしっかりしている証拠。
やはりワインは済んで輝きがあってキラキラしている方が良いと思う、という森ソムリエの意見でした。

■ワインの濃さの話

寒い地域は色づきが弱く、南の方は濃いというコメントは良く聞くけど、単純に南北で濃さが決まるわけではない。
樽の使用により色が濃くなったり、熟成により色が濃くなるケースがある。
甲州は香りを引き出すために色づきを犠牲にしている場合があるそうです。

■ルビーVSガーネット問題

根深い問題で、人により意見が違う。
(たしかにこれはテイスティングコメントの際の悩みどころでした)
意見が別れる事が多かったので、最近は「ダークチェリーレッド」「ラズベリーレッド」も選べるようになった。
でもこれも、どちらに分類するかは人によって意見が別れる可能性は消えていない。

■ロゼの色

ロゼの色を表現出来る人は少ない。
以下のような言い方がある。

ペタルドローズ
ラズベリーピンク
ピンクトパーズ、ピンクサファイア
サーモンピンク
オニオンスキン
アンバー、トパーズ
※どんな色かは調べてください

■香りを嗅ぐときのポイント

第1アロマ、第2アロマ、第3アロマの順番でコメントする。
樽香の印象が強くても最初に「樽」って言ってはダメ。

第1アロマ ブドウの品種の個性=フルーツ、スパイス、ハーブ、花、ミネラルなど。
第2アロマ 醗酵、製法に由来する香り。
第3アロマ 熟成に由来する香り。

第2アロマと第3アロマは共存しない。

最初はグラスを回さないで、第1アロマをとる。
そのときに香りが立たず、グラスを回して香りが立つ場合は還元状態である。
グラスを回しても香りが立たない場合は、閉じているという。

フルーツは「柑橘系・白系」「黄色系」「トロピカルフルーツ」の3つに大分類される。
3つが一緒に香りことはない。
白から黄色系、黄色系からトロピカルフルーツなどの範囲までで、白からトロピカルフルーツという組み合わせは無い。
(よくコメントでやってました、今後気をつけよう・・・)

■還元香

テニスボールの缶を開けたときのような、水道のホースのような香り。

■フローラル

黒っぽい色のワインは「スミレ」
若くて赤い色のワインは「バラ」のケースが多い
(これは逆かと思ってました・・・)

■酸味の話

「ph」※古い世代は「ペーハー」と読んでいたが、最近では「ピーエイチ」と言うらしい。
phが低いと酸が強い。

暖かいとブドウ自体がリンゴ酸を消費してしまうので、酸味が弱くなる、その場合MLF(マロラクティック発酵)はしない場合が多い。
寒い地域はリンゴ酸が多く残るので、MLFを行う。
その両方をブレンドして深みを出すような作り方もニューワールドでは進んでいる。

■甘みの話

「残糖の甘み」「果実味からくる甘み」「アルコールからくる甘み」の3つを分けて捉える。

「残糖の甘み」はシュガーの甘み、「アルコールからくる甘み」はラムやウォッカのような、強いアルコールで舌が麻痺することで感じる甘み。

■シンプルな料理とは

手間暇がかからない料理がシンプルといえる。
お刺身やカルパッチョ、素材を活かしたような料理。
手間暇かかるのは煮込んだり、ソースを作るようなもの。
シンプルなワインにはシンプルな料理、ボリュームのあるワインには手間暇かけた料理を合わせる。

■グラスサイズの選び方

私は、安いワイン=小さいグラス、良いワイン=大きいグラス、と簡単に考えていましたが、温度やアルコール度の強さも関係するそうです。
冷やして美味しいワインは小さいグラスで、少なく注いで、温度が上がらないうちに飲み終わるようにする。
アルコールの香りが強いものは大きなグラスで、鼻を遠ざけてアルコール香を下げる意味がある。

■樽のサイズ

最近は500リットルの「パンチョン」という樽のサイズがはやっている。
樽の影響は少なくてすむ。

■アメリカンオーク

ヴァニラにココナッツの印象がある。

■樽醗酵と樽熟成

樽醗酵→樽熟成よりも、ステンレス醗酵→樽熟成の方が樽の印象が残りやすい。
ステンレス醗酵の方がピュアなすっぴんな状態なので、樽の印象が残る。
樽醗酵は下地ができているので、樽熟成の時にそれほど香りが移らない。

■まとめ

日頃は自分なりでテイスティングしているので、ときどきこういうセミナーに出席して、コメントのブレなどを修正していく必要がありますね。
今年はなるべく多くのセミナーに出席したいと思います。

→過去のセミナー試飲会レポートはこちら

2015/11/20

キュイジーヌ・コンタンポレーヌ・デュ・ヴァン ミナミのボージョレ・ヌーヴォー5種類飲み比べセット2,500円!(各70ml)

ボージョレ・ヌーヴォー5種類飲み比べセット
キュイジーヌ・コンタンポレーヌ・デュ・ヴァン ミナミ<バスティアン プランス>(Cuisine Contemporaine Du VIN MINAMI Chef Bastien PRINCE )のボージョレ・ヌーヴォー5種類飲み比べセット、今年も行ってきました。

■セット内容

1)
ボージョレ・ヌーヴォー 2015 ルイ・テット
Beaujolais Nouveau 2015 Louis Tete

2)
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー P-U-R 2015 シリル・アロンソ
Beaujolais Villages Nouveau P-U-R 2015 Cyril Alonso

3)
ボージョレ・ヌーヴォー シャトー・カンボン 2015 マルセル・ラピエール
Beaujolais Nouveau Chateau Cambon 2015 Marcel Lapierre

4)
ボージョレ・ヴァン・ド・プリムール 2015 フィリップ・パカレ
Beaujolais Vin de Primeur 2015 Philippe Pacalet

5)
ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール 2015 ルロワ
Beaujolais Villages Primeur 2015 Leroy

5種類で1グラス70mlなので、全部で350mlとハーフボトルより少ないくらいですが、これだけ種類があると満足感がありますね。
食事はオードブルセット(2500円)をオーダーしましたが、とても美味しかったです。

■飲んだ感想

1)
ボージョレ・ヌーヴォー 2015 ルイ・テット

一般的なボージョレ・ヌーボーの印象ですが、これは美味しい。
キャンディやイチゴの印象がありながら、果実感がチャーミングで飲みやすいですね。
価格も手頃で、来年は自宅で1本買ってもいいかなって思いました。
万人受けしそうで、難しいことを考えないで飲めるタイプだと思います。

2)
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ブランシュ P-U-R 2015

去年はスッキリ飲みやすいという感想でしたが、今年はしっかりした果実味と重みがあって、さらにナチュラルな印象もで、とても良かったです。
最初は閉じた印象であまり良くなかったのですが、時間とともに開いてきました。
5種類の中で、もう一度買って飲むんだったらこれですね。

3)
ボージョレ・ヌーヴォー シャトー・カンボン 2015 マルセル・ラピエール

毎年楽しみにしていて、去年はかなり癖があって面白かったマルセル・ラピエール。
ところが、今年はなんだかすっかりおとなしくなってしまった印象で、他と比べるとあまり押しが強くなく、これといって特筆すべきところも無くなっていたようです。
ずっと好きなブランドだったのですが、今年はちょっとピンときませんでした。
時間が経つと開くかと思っていたら、だんだん酸っぱくなってきましたね。
来年を楽しみにしてます。

4)
ボージョレ・ヴァン・ド・プリムール 2015 フィリップ・パカレ

去年はあまり印象が良くなかったのですが、今年は普通に美味しかったですね。
時間とともにナッティというかとても個性的な香りが出てきて面白かったのですが、また買って飲みたいというような感じでは無かったかも。

5)
ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール 2015 ルロワ

去年も一番評価が高かったルロワですが、今年もとても良かったです。
厚みがあって、深みもある、普通に美味しいワインです。
最初はカラメルのような焦げ臭が強めで、だんだんジャムのような印象に変わってきましたが、最後まで(グラス1杯)まろやかで包容力のある印象は変わらず、飲み比べても他のワインよりも格が上でしたね。

■まとめ

全体的に果実の成熟感があり、タンニンもしっかりしていて、去年よりも良くなってたように思います。
ただ、各ワインの個性の差があまりなく、みんな兄弟みたいに似てて、そこがちょっと気になりました。

それにしても、ボージョレ・ヌーヴォー解禁後の週末だというのに、あまり賑わって無かったですね~。
ボージョレ会を企画しても「ボージョレ・ヌーヴォー興味無いんだよね~。」という反応が多く、なかなか人が集まらなかったのですが、お店もちょっと空いた感じでした。

安くて美味しいワインが増えていて、ボージョレ・ヌーヴォーって相対的に高いお酒になってきてますよね。
普段飲みのワインは定着してきていますが、高いワインは敬遠される傾向にあるのでしょうか。

■楽天ショップへのリンク

ルイ・テット ボジョレー・ヌーヴォー [2015] 【船便】【予約品:2016年1月中旬入荷予定】

※サイトより引用
このボジョレーヌーボー、当店では、毎年一番売れているボジョレーヌーボーなんです。
毎年よく売れている秘密は、このかわいらしい透明ボトルと、まるで手作りで一枚一枚書いたかのようなこだわりのラベル。そして全く気取らずに気軽に飲める、まるで甘酸っぱいイチゴのようなフレッシュな味わいにあるのです。
さらにこのボジョレーヌーボー、通常コルクの上を覆っているはずのキャップシールが貼られていないんです。初めて買われたお客様は、この変わったスタイルに驚かれますが、あえてキャップシールをはずしたシンプルなデザインも、このボジョレーヌーボーの中身で勝負する姿勢を象徴し、潔さすら感じます。
また、細かいこだわりなのですが、瓶にも特殊なものを使用しています。実は、100年ほど前にフランスのボジョレー村で流通していた『ポット』という瓶を使用していますが、今では高品質と認められたボジョレーヌーボーだけしか使用してはいけないものなのです。

シリル・アロンソ PURボージョレ・ヌーヴォー[2015]

※サイトより引用
シリル・アロンゾの定番ヌーヴォーと言えば、黒ラベルのPUR。PURとは実在するワインブティックの名前でもあり、フランス語で「純粋な」(英語のpureピュア)という意味です。
彼は、このPURというブランドに今までの集大成とも言える熱意を注いでおり、このPURラベルはアロンソのものであり、『健全なブドウを使っている→絶対美味しくて、絶対安心なワインである』という一連の思いを飲む人全てにもって欲しいと、強い意識付けをゴールに設定しています。
除梗後、発酵させるボージョレの新酒では珍しいスタイル(普通ヌーヴォーはマセラシオンカルボニックを行う為除梗など手間が掛かる作業は行いません)。これは常に新しい事へ挑戦し続けるシリルの姿勢の表れであり、画期的な方法と言えるでしょう!丁寧に除梗したブドウをセメントタンクで8日間醸しゆっくりプレス、1~2回ルモンタージュを行う予定。SO2無添加にて瓶詰め予定。
【使用品種】ガメイ100% 【平均樹齢】40~60年

《解禁!》ボジョレー・ヌーヴォー[2015]マルセル・ラピエール(イラストラベル)【ワイン 通販 シーザーワインカンパニー】

※サイトより引用
最新技術を駆使して大量生産でボジョレー・ヌーボを生み出す生産者が多い中、ラピエールファミリーのワインは昔からの自然なワインの製法をかたくなに守っています。
昔からの製法とはすなわち、太陽の光と大地の恵みの全てをワインにこめる造り方。あるがままを守るためにあえて手のかかる方法でワイン造りに取り組んでいるといえます。
有機栽培・無農薬・酸化防止剤も使わない オーガニック・ボジョレー・ヌーボー
1・補糖(葡萄の糖度が足りないときに糖分を加えてアルコール度数を上げること)を一切しない。
2・培養酵母ではなく、葡萄の実の皮に付く天然酵母のみで発酵させる。
3・除草剤、化学肥料(ボルドー液さえも)使わない。4・酸化防止剤を加えない。(自然に発生するSO2 35mg/リットルを含有)。5・濾過処理をせずに瓶詰めする。
このスタイルは弟子のジャン・フォイヤールやカリーム・ヴィオネ。
甥であり長らくラピエールの醸造を担った クリストフ・パカレ。
そしてもう一人の甥 自然派のスーパースター フィリップ・パカレ。
当店の取り扱いのボジョレー生産者にも大きな影響を及ぼしています。

フィリップ・パカレ・ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール 2015「ボジョレーヌーボー 2015」

※サイトより引用
今や世界の注目を集めているパカレ氏が、【最高品質のボージョレ・ヌーヴォー】を目標に掲げ、2003年より造っているのがこのヌーヴォー。
そのスタイルは、どこまでも繊細でエレガントな味わい。
すべて無農薬で栽培された良質なドウだけを選別、ブドウの重みで自然に搾られたエキスのみをワインにするなど、頑固なまでの自然(ナチュラル)な状態に対するこだわりから産み出されるパカレ氏のヌーヴォーは、フレッシュな新酒の特徴を持ち合わせながらも、上品で奥の深い洗練された味わいで毎年、世界の愛好家を唸らせています。
しかも!!
入荷後すぐに飲んで美味しいだけでなく、翌年以降も素晴らしい熟成をするので、あえて「ヌーヴォー」と言わず、「ヴァン・ド・プリムール」という表記を用いてい
ます。

ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール[2015]ルロワボージョレ・ヌーヴォー[ボジョレー・ヌーボー2015]【ワイン 通販 シーザーワインカンパニー】

※サイトより引用
ブルゴーニュを代表する『名門ルロワ』がつくる最高のプレミアム・ボジョレー。
ラルー・ビーズ・ルロワ女史(マダム・ルロワ)“ブルゴーニュの完全主義者”の異名をもつ彼女の経営するネゴシアン&ドメーヌ。
元DRCの共同経営者だが、いま やそのDRCと肩を並べるか、それをしのぐ 水準と評価されています。
その原動力が高齢になった今でも、畑をまわり衰えることのない天才的なティスティング能力をもつマダム・ルロワ。
品質をあげるため、有機栽培でつくられた手間暇かけてつくったブドウを惜しみもなく収穫量を徹底的に減らします。厳選されたブドウもマセラシオンカルボニックと言う近代的手法でなく伝統的製法により、通常のヌーボーとは一線を画した凝縮感たっぷりで、非常にエレガントな仕上がりになります。
販売価格でも最も高価な価格帯のプレミアム・ボジョレー・ヌーボー。
ですが…価格以上の感動はあるはず!!
■関連情報(ボージョレ・ヌーヴォー/ヌーヴォー)

2015/11/07

ワイン展 -ぶどうから生まれた奇跡-

ワイン展-ぶどうから生まれた奇跡-
ワイン展-ぶどうから生まれた奇跡-に行ってきました。

場所:国立科学博物館 東京・上野公園
開催期間:2015年10月31日(土)~2016年2月21日(日)

■一般に人には反応が薄い企画展

「ワイン展に行く」というと、ほとんどの人は「ワインたくさん飲めるの?」と聞いてくるのですが、「いや、一滴も飲めないみたい」「じゃ何があるの?」「ワインの造り方とか歴史とか・・」「ふ~ん・・どんな人が行くんだろうね?」という会話になってしまいます。

確かにワインの勉強してるような人じゃないと行かなさそうな、ちょっと特殊な企画ですよね。

東京モーターショーをやってるタイミングを選んで、空いている事を期待して行ってきました。

■チケット売り場と入り口はガラガラ

午前中早いうちに着いたのですが、チケット売り場も入り口もまったく人がならんでない、ガラガラ状態・・
展示室中にはぼちぼち人がいましたが、かなり空いてる状態で、しっかり展示は楽しめました。

展示は大きく3つのゾーンに分かれています。

1つ目はワイナリーゾーンで、ブドウの種類や栽培、ワインの醸造などを展示してあるゾーン。
2つ目はワインの歴史ゾーン。
3つ目はワインの味わい方や珍しいワインの展示ゾーンです。

■ワイナリーゾーン

1つ目のワイナリーゾーンは撮影可だったので展示物をたくさん写真に収めてきました。

ソムリエ協会教本に書いているような内容が写真やイラスト付きで説明されていて、とても分かりやすく興味が持てるように展示してありました。

ワイナリーゾーンで面白かったのは「フィロキセラの模型」「ブドウの足踏み体験」「ピジャージュ体験」。
ピジャージュは醗酵中の赤ワインの上にたまってくる果皮や茎などを櫂棒で付き沈める作業ですが、これが結構重いんですね。
ワインを醗酵させる大樽に人が入って、足で押し込んでいるような光景を写真で見ますが、確かにこれは手でやっていると結構重労働だと思います。

■ワインの歴史ゾーン

2つ目の歴史ゾーンは撮影禁止だったため写真はありませんが、8000年前のワイン発祥の地と言われるジョージア(グルジア)から始まり、ワインがそれぞれの時代でどのような扱いをされてきたか年代によって説明があり、貴重なワイン用の器も数多く展示してあって、なかなか見応えがありました。

ワインの器もいろいろな種類があって、祭礼用の杯「フィアレ」、角杯(かくはい)の「リュトン」、保存用の「アンフォラ」、古代ギリシアでワインと水を混ぜるのに使われた大型の甕「クラテル」、取っ手付きの酒杯の「キュリクス」などが展示されていました。

日本のワインの歴史も詳しく展示してあり、あまり知られていない明治政府の殖産興業によるブドウ栽培ワイン生産の試みなども当時の資料などと一緒に展示されていました。

ワインは8000年前、ビールは5500年前に造りはじめられましたが、ワインはブドウだけで出来るものなので「発見」、ビールはデンプンの糖化のプロセスがあるので「発明」と言われているそうです。

■ワインを楽しむゾーン

3つ目のワインを楽しむゾーンでは、テイスティングの方法や香りの分類の紹介や、様々なタイプのワイングラスの展示、香り体験、貴重なワインの展示などがあり、その中でも面白かったのは「香り体験」。

「バラ」「イチゴ」「グレープフルーツ」「ピーマン」の4つの香りが体験出来て、その後にシークレットの香りがあり、それを当てるゲームになっているのですが、最後のシークレットの香りは4つの香りのどれかを熟成させたもの。
もちろん熟成とはいっても、いわゆる熟成香の一種をプラスしているだけなのですが、プラスしている香りが分かれば元の香りも分かる感じです。
ちょっと迷いましたが、ちゃんと正解しました。\(^-^)/

ネタバレはしませんので、会場で挑戦してみてください。

ワイングラスの説明では、シャンパーニュグラスの変遷が解説されていました。
シャンパーニュが発明された当時は口が広い「クープ」タイプで、これは甘いシャンパーニュにパンなどを浸して食べたからだそうです。
それから泡がキレイに見える細長い「フルート」タイプが主流になりましたが、現在ではシャンパーニュの香りを楽しむために「たまご型」タイプが多くなってきているようです。

ワイン展示は、海底で発見された世界最古のシャンパーニュや、2000年前栽培されていた古代品種をその当時の栽培方法で再現してワインを造る「ヴィッラ デイ ミステリ」、ドン・ペリニヨンのアートラベル、シャトー・ムートン・ロートシルトのアートラベルの展示などがありました。

■まとめ

あまり期待しないで行ったせいか、かなり面白く見ることができました。

ワインエキスパートの試験を受けようと思っている人にはオススメですね。
ソムリエ協会教本に文字だけで書いているような内容が、実際の道具や写真、製造工程の映像などで紹介されていますので、とても勉強になるのではないでしょうか。

■過去のセミナー・ワイン会の記事はこちら

2015/10/12

秋の珍品ワイン会

秋の珍品ワイン会
とても貴重なワイン会に参加できたので、メモ程度ですが記録しておきます。
テーマは「珍しいワイン」。

開催日:2015年10月12日(月)体育の日

<ワインリスト>
1.ドン・ペリニヨン 2004 イリス・ヴァン・ヘルペン
2.ウイリアム・フェーブル サン・ブリ 2011
3.コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ ダニエル・ショパン=グロフィエ 1995
4.モラン・ペール・エ・フィス フルーリー 1966 ドメーヌ・デパードン
5.ペンフォールド セント・ヘンリー クラレット1982
6.ゴンザレス・ビアス ソレラ1847 オロロソ ドゥルセ


1)ドン・ペリニヨン 2004 イリス・ヴァン・ヘルペン
Dom Perignon IRIS VAN HERPEN Vintage 2004

誰もが知ってるシャンパーニュ、ドン・ペリ。
イリス ヴァン ヘルペンとのコラボモデルです。

恥ずかしながらドンペリはじめてだったのですが、人気があるのがよく分かりました。

香り高く、飲みやすさとしっかりした旨みがあって、全体のバランスがとても良く、華やかです。
これだったら毎日でも飲みたいですね。(絶対無理ですが・・)

しっかりした味のイベリコベジョータの生ハムに合わせましたが、両方強い主張を持ちながらも相手を高め合うような、素晴らしい組み合わせでした。

【オリジナル箱入り】ドン・ペリニョン・イリス・ヴァン・ヘルペン[2004](泡・白)(ワイン(=750ml)8本と同梱可)[Y][A]


2)ウイリアム・フェーブル サン・ブリ 2011
Saint-Bris Sauvignon 2011 William Fevre

最初にブラインドで出てきたのですが、特徴的なグリーン系のハーブ香がソーヴィニヨン・ブランっぽくなくてローカルな品種かと思ったら、サン・ブリでした。

サン・ブリはブルゴーニュ地域の最も北側で、ロワールのサンセールやプイイ・フュメに近いA.O.C.ですね。
今まで飲んだサンブリはかなり酸味の強いタイプが多かったですが、このワインはなんとも穏やかでややしっとりしたまとまり。
じわっと染みる美味しさがあり、ちょっとロワールのような印象がありました。

フォアグラにキュール・ダム―ルのジャムをのせたものに、しっかり合いました。

サン・ブリ[2013]年・(ソーヴィニヨン・ブラン100%)・ウイリアム・フェーブル社・AOCサン・ブリSaint-Bris Sauvignon [2013] William Fevre

※サイトより引用
サン・ブリ2013年
辛口白ワインの代名詞シャブリの南西に広がるサン・ブリAOCは、栽培面積が103ヘクタールと、シャブリ特級畑とほぼ同じ広さの非常に小さなアペラシオンで、2003年にAOCになったばかり。そしてブルゴーニュで唯一のソーヴィニヨン・ブランの生産地。
シャブリでトップクラスの評価を不動のものとしている「ウイリアム・フェーブル」が1998年にアンリオ社の傘下に入った当時、このワインの生産を止める予定でした。しかし、シャブリは異なるユニークな特徴、ハーブのようなアロマティックな特徴を備え、またフランス国内のレストランに根強いファンがいたこともあり、生産の継続が決定したという経緯を持つワイン。醸造責任者のディディエ・セギエ氏も、同じキンメリジャンとポートランディアンの土壌で造られる「非常に興味深いワイン」として評価しています。
発酵前に12時間のマセラシオン。1から2時間軽く真空プレス。その後自然にアルコール発酵とマロラクティック発酵。ワインのフレッシュな味わいを保つため、小さなステンレスタンクで8~10ヶ月熟成。
フレッシュでハーブのような凝縮感のある香り。生き生きとした滑らかな口当たり。軽やかで爽やかな味わいは夏にピッタリ。
魚のグリル、カキのシーフード、ハムやソーセージなどとも良く合います。よく8-10度に冷やして、お楽しみください。

3)コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ ダニエル・ショパン=グロフィエ 1995
Cote de Nuits-Villages 1995 Daniel Chopin-Groffier

20年前の貴重なブルゴーニュ。
ダニエル・ショパン=グロフィエという造り手は知らなかったのですが、数年前に一気に人気が出て市場から消えてしまい、その後なかなか出てこなくなったそうです。

明るい色調のおだやかで優しいフルーツ感のある味わいで、とても懐の深さを感じました。
20年経っているとは思えない若々しさがあって、カジュアルでフレンドリーな印象。
ブルゴーニュの若いワインはちょっとつっけんどんな人を突き放すようなタイプがありますが、熟成したブルゴーニュはホントに優しくなって美味しくなりますね。
以前飲んだ、ベルナール・デュガ・ピィとか、シャトー・オーゾンヌの古酒も同じでしたが、とても優しい味わいで誰にでも美味しいと思わせるような、素晴らしいまとまりでした。


4)モラン・ペール・エ・フィス フルーリー 1966 ドメーヌ・デパードン
Morin Pere & Fils Fleurie 1955 Domaine Depardon

クリュ・ボージョレ、フルーリーの49年前のワイン。
ネゴシアンがモラン・ペール・エ・フィスで、生産者がドメーヌ・デパードンのようです。

かなり熟成していて、ボートワインのような甘い印象になっていましたが、まったく傷んだ感じはなく、とても良く熟成していました。
酒精強化ワインじゃない?ってくらいの強さがあって、ガメイだけとはとても思えない、何とも不思議な印象。
フランスAOCワイン事典で、調べてみると、フルーリーのAOC制定は1936年なので、おそらくガメイ100%で造られてると思います。
ピノ・ノワールの熟成感とはまた違う、個性的な熟成感で、ガメイのポテンシャルを感じさせるワインでした。


5)ペンフォールド セント・ヘンリー クラレット1982
Penfolds St. HENRI Claret 1982

ニューワールドの熟成ワインって初めてですね。
オーストラリアの33年前のワインで、ブドウ品種はシラーズとカベルネ・ソーヴィニヨン。

熟成したブルゴーニュやボルドーは果実感が穏やかで優しい印象になりますが、このワインはチャーミングでフレッシュな果実感を持ったまま熟成していてます。
なるほど、ニューワールドワインが熟成するとこうなるんだ~、と納得の味わい。
ニューワールドの熟成したワインってあまり市場に無いので、それが味わえる機会は貴重ですね。

トリュフマスタードをのせたチキンソテーに合わせましたが、フルーツ感をのせるようなしっかりしたフィット感で、とても良い組み合わせでした。


6)ゴンザレス・ビアス ソレラ1847 オロロソ ドゥルセ
Gonzalez Byass Solera 1847 Oloroso Dulce

168年前のシェリーということで「これはスゴイ!まだまだ若々しい。」と、みなさんで飲んでいたのですが、シェリーってソレラシステムなので、基本的にビンテージ表示って無いんですよね。

「SOLERA 1847」というのはシリーズ名で、1847年にこのシェリー専用のソレラが設置されたことに由来するようです。
勉強不足でした、すみません。。。

とはいえ、かなり古いシェリーで、甘みと深みがとてもバランス良く熟成していました。
極甘口のペドロ・ヒメネスは、ちょっと甘すぎるのであまり量は飲めませんが、このシェリーは程よい甘さと熟成感で実に美味しかったです。

甘さ控えめの栗のデザートに合わせましたが、フルーティな黒蜜をかけるような合い方で、深い味わいのある大人のデザートになりました。
シェリーは奥深いですね。


いやはや、素晴らしいワイン会でした。
また機会があることを祈ってます。

2015/07/30

日本ソムリエ協会 関東支部 第4回例会セミナー「和食とワイン」

日本ソムリエ協会関東支部 第4回例会セミナー「和食とワイン」
日本ソムリエ協会関東支部 第4回例会セミナー「和食とワイン」に行ってきました。

開催日:2015年7月30日(木)

会 場:ホテル ニューオータニ ザ・メイン 宴会場階「芙蓉の間」

時 間:14:00~16:00(受付13:30~)

テーマ:「和食とワイン」

講 師:

高橋 拓児 氏 京料理 木乃婦三代目主人 
田崎 真也 氏 (一社)日本ソムリエ協会 副会長

■会場は800名入る大会場

入り口では「和食とワイン」と「テイスティングは脳でする」の本を本日限定の「スタンプ付き」で販売。
800冊あったので、さすがにサインは厳しい、という判断で「スタンプ」になったようです。

いつのも大規模セミナーのさらに倍くらいのサイズの特大会場。
最初は500名定員でしたが、最終的に750名定員で、800名の応募があったとか。
関東支部だけで会員5000人いるそうですが、800名の応募というにはさすがに田崎さんですね。

本日のテーマは和食とワイン。

いつもと違ってグラスは3つと少なめで、小さなプラスチックの容器に薄口醤油と濃口醤油、コーヒー用スプーン、用途不明の空のデミタスカップも置いてあります。

ソムリエ協会機関紙で、田崎さんと髙橋さんの和食とワインについて連載していたとのことでしたが、すみません、ちゃんと読んでませんでした。

■世界文化遺産に登録された和食の特徴

・多様性、北海道から沖縄まで温度差は60℃あり気候も土壌も違う。
・健康的な食事 一汁三菜、味噌などの醗酵食品、バランスの良い食事。(塩分高めとは言われている)
・四季の変化に順応する 体長を整え対応する食事。
・年中行事 お正月のおせちから始まる 1月1日、3月3日、5月5日などの節句の伝統料理が特徴。

とされているようです。

ワインと合わせるにあたって
・肉より魚が中心
・おだしや野菜、しょうゆみりんにいかに合わせるか
がポイントになります。

■洋食と和食の比較

西洋料理のブイヨンは肉や骨のベースでアミノ酸が多い、ダシはさかながベースで、アミノ酸の種類が少ない。
和食だしに使われる昆布の旨み成分は、グルタミン酸、カツオの旨み成分はイノシン酸、だいたい4つくらいで構成されるが、洋食のブイヨンは14種類以上あり、複雑。
ダシは素材を活かすが、西洋料理はソーズが前面に出てソースが主役になる。
ダシの4つのアミノ酸は、素材のアミノ酸を際立たせる役目をする。
そのためには塩味が重要で、醤油やみりんはなるべく最低限で使いたい。

■お出汁のテイスティング

謎の空のデミタスカップはお出汁のテイスティング用でした!
香りを分析して欲しいとのことで、お出汁をテイスティング。

昆布とカツオ節だけど、かつお節は血合いの入ったもの。
昆布は60~70℃で1時間くらい、なるべく切らなくて長いものを使う。
細かく切ると、切り口からフコイダンが出てぬめりが出てしまう。
カツオは80~90℃くらいに一気に入れる。温度が低いと濁る。
大阪は厚めのかつお節で、京都は薄め。

お出汁は、マコンブのようなヨード香、血合いが入っていることで、鉄さびや金属、燻製の香り。
この血合いの香りは通常醤油でカバーする。
天つゆなどの濃い味付けのものにはこのようなダシが良い。

スモークフレーバーや金属などはワインの熟成香に通じる。
基本のダシには、ワインの熟成香がキーワードになる。

お出汁に合わせたのは、ブラン・ド・ノワールのシャンパーニュ。
ピノ・ノワール50%で、ピノ・ムニエ50%。
5年瓶内熟成していて、ドサージュは9g。

田崎さんコメントでは、スモークや焼いたパンの香り、ヘーゼルナッツ、ブリオッシュ、芳ばしい焼けた香り、ハチミツ、酸化香、ヨード香、熟成香などがあり、香りの構成が、ダシに似ているとのこと。
最近は「ヨード香」をポジティブは表現で使っているそうです。

■酸味がポイント

和食は、うま味と塩味が基本であまり酸味を使わない。
日本酒は同調するが、ワインは酸味があるので、そこがポイント。

■日本料理はデザートが発達しなかった

和食コースでデザートに甘いワインを合わせると、ただ甘いという反応になる。
日本では、苦いお茶のあてに甘いものを当てる。
お寿司のお茶は前のネタの風味を消すため。

■料理は酒の「あて」

日本酒に対しての料理は、お酒を飲ませる為にあり、食事は塩気があってお酒がすすむもの、酒の「あて」という考え方が伝統的。
対してワインは、食事に合わせることでソースになり、食事を完成させる考え方で、全然違う。

和食がこれだけ世界中で流行しているにも関わらず、日本酒と和食の定番の組み合わせ(定石)が存在しない。

伝統的な和食料理屋でも置いてある日本酒は数種類。
しかも価格的に釣り合いがとれるように大吟醸を当てる。
食事にホントに合うかどうかは考えられていない。

■醤油は5タイプ

薄口醤油、濃口醤油、白醤油、たまり、再仕込み醤油、の5タイプの醤油がある。

薄口醤油と濃口醤油はまったく別物。
薄口醤油はスパイス的、濃口醤油はフォン・ド・ヴォー的。
薄口醤油は素材の味を引き立てるように使い、濃い口はしっかりタレの味を出すために使う。

■キーワードはメイラード反応

薄口醤油と濃口醤油がカップで置いてあって、香りを確認。

キーワードは「メイラード反応」。

コーヒーの焙煎、醤油の色付き、シャンパーニュやマディラの色付きはメイラード反応。
シャンパーニュはドサージュの糖分がメイラード反応を起こして時間が経つと色づく。

■和食の調味料はシンプル

醤油、みりん、お酒が1:1:1のパターンが基本。

■和食には甘みが常にある

みりんは戦後から使われるようになった。
本みりんは以前は飲み物や薬だった。

和食には調味料で甘みを使うが、フランス料理では食中に甘いものはなく、ソースのフルーツくらい。
そのため、フランスは最後に甘いものやチーズでバランスを取る。

和食はずっと甘みがあるので、デザートが無く、最後に酢の物で締める。

和食は、ドイツの甘いワインや酒精強化ワインが合わせやすく、辛口ワインは合わせにくい。
甲州も昔の甘みのあって酸化したワインが合わせやすかったが、最近の辛口は合わせにくい。

■チーズと日本酒

チーズは日本酒との相性がいい
チーズは動物性タンパク質の醗酵食品、みそは植物性タンパク質の醗酵食品で、良く似ている。

■吸い口がワインの邪魔をする

和食は、「吸い口」がワインを合わせにくくしている。
何にでも木の芽やゆずなどを載せるので、素材ではなく、吸い口に味が引っ張られ、ワインが合わせにくい。

■刺し身とワイン

刺し身は和食でも上格のメニュー。
でも、つけるのは「わさび醤油」に決まっていて、さらに舟盛りなどは味の違う甘エビやまぐろなどが一気に出てきて、お酒と合わせる配慮がまったくない。

田崎さんは、自分でも釣りに行き、魚に合わせてつけダレも変えている。
舟盛りで出てきて好き勝手に食べられるとお酒との相性は破綻する。
せめて一品づつ出てきて欲しい。

刺し身には「煎り酒」が良い。
お酒にお塩と梅干しが基本だが、炒ったお米などのバリエーションがあり、お酒にも合わせやすい。

カツオはマスタードをつけると血の味を活かして合わせやすい。
田崎さん曰く、カツオにビールを合わせると「鉄さび」の味になってまったく合わない。

■お吸い物とワイン

お吸い物は、リースリング・リオンや甲州の瓶内醗酵のスパークリングなどが合うが、汁物は一気にいただくものなので、お酒との相性は考えなくても良い。
スープにワインをあわせないのと同じ。

先付けからのスパークリングワインの流れで良い。

■塩焼きとワイン

塩焼きはもっともワインに合わせやすく、魚の種類などでワインのタイプを選択する。
タレを付けるものは赤ワイン、味噌焼きはマロラクティック醗酵している白ワインなど。

白身の天ぷらはリースリング、エビはシャルドネが良い。

■全体の構成

和食は山が2つあるので、スパークリングが2回入るパターンで考えると面白い。
和食とワインの組み合わせを考えるように、日本酒と和食の組み合わせも考えていく必要がある。

■まとめ

何というか、あまりまとまらなかったような気がします。。。

そもそも和食の構成や味付け自体がお酒に合わせることを配慮していないので、食事を提供する方でもお酒との相性をもっと考えようよ、という提案が一番大きなテーマだったような。

それともう一つ、ソムリエはもっと日本酒の事を勉強して、各料理と日本酒のタイプの定石をこれから作って行こう、という投げかけもありましたね。

いろいろと考えさせられるセミナーでした。
和食とワインの本も買わないとですね!

■その他セミナー・試飲会の記事はこちら

2015/05/29

ステファン・ドゥルノンクール氏の醸造哲学 日本ソムリエ協会 関東支部 分科会セミナー

ステファン・ドゥルノンクール氏の醸造哲学
日本ソムリエ協会 関東支部 分科会セミナー「ステファン・ドゥルノンクール氏の醸造哲学」に行ってきました。

協 力:国分株式会社
開催日:2015年5月21日(木)
会 場:目黒雅叙園 2F 華しずか
時 間:14:00~16:00
テーマ:「ステファン・ドゥルノンクール氏の醸造哲学」

試飲ワイン(5種類):
ドメーヌ・ド・ラ(2010、2011、2012)
シャトー・ジゴー キュヴェ・ヴィヴァ 2010
シャトー・パヴィー・マッカン 2012

講 師:ステファン・ドゥルノンクール氏
コメンテーター:中本 聡文氏

会場は120名程度入れそうな大きさでほぼ満員。
申し込みは200名あったそうです。 ※写真は開場直後です

■ステファン・ドゥルノンクール氏の経歴

フランス北部のビールで有名な村で産まれ、18歳でボルドーで収穫の手伝いから初める。
仕事をしているうちにブドウは魔法の木であることを知ったそうです。

1990年にシャトー・パヴィー・マッカンに入り、サン・テミリオン グラン・クリュ・クラッセの中で初めてヴィオディナミを始め品質が向上、評判が高まる。
シャトー・ジゴーなどでも腕をふるい、その後シャトーでの仕事を辞めてコンサルタント会社を設立。
醸造家とは違う、全体的なワイン造りの視点を持ち、とくにぶどう栽培を重視している。

コンサル会社をはじめて、自分の畑と醸造所が必要になった。
サン・テミリオンの特級畑が欲しかったが、銀行がお金を貸してくれなかったので、他のアペラシオンを探して、サン・テミリオンの東にあるカスティヨンにした。
土壌はサン・テミリオンと同じでも、カスティヨンなら安く買える。
まずは2.5haの畑から始めたが、現在は10haになっている。
社員はほとんどが醸造家で、畑のことは分からない人が多いので、トレーニングセンターにもなっている。

■ヴァン・ド・テロワール

ワインはブドウから出来、ブドウの木は土地から生え、土によってブドウが変わる。
その土地を表現しているワインを、ヴァン・ド・テロワールと呼ぶ。
ヴァン・ド・テロワールは収穫量を減らして、さらにブドウが完熟していないと出せない。
それが出来ないと、ただのセパージュワインになってしまう。
(たぶんどこでも作れるその品種のワインって意味)

■土壌について

栽培はメルローとカベルネ・フラン。
土壌によって同じぶどう品種でも味が違ってくる。

砂地のメルローはチェリーの香り、粘土質のメルローはラズベリー、石灰質のメルローは野生のくわの実、スミレ、スパイシーなフローラルがある。
石灰粘土質は複雑で、そこに惚れ込んでいる。

石灰質はレアな土壌、地球上の5%しかない。
にもかかわらず、フランスの55%は石灰土壌、だからフランスのワインは美味しい。(自慢)

6000年前のトルコでワイン造りが始まった、そこも石灰土壌でオリーブと同じ土地で栽培された。
石灰土壌をブドウが吸い上げるとワインのアロマが変わる、ワインを口に含んだ時のフォルムが変わる。
タンニンを優しくして触り心地を良くする、チョークのような口当たりになる。

石灰土壌は塩味を出せて、粘土質は甘みを出す。
ドメーヌ・ド・ラは粘土石灰質

粘土質は土が冷たく、ぶどうに実がつきすぎるとタンニンが熟さない。
A.O.C.が有名だと高く売れるので、収穫量を減らせるが、有名ではないA.O.C.では収穫量を上げないと元が取れないため品質をあげるのが難しい。

■インターナル・サーフェス

ビッグワインを作るための指標として「インターナル・サーフェス」という考え方がある

1グラムの粘土のミルフィーユ状になっている層を1枚づつ剥がして土地をおおう、計算上75平米に広がる。
という粘土の力を推し量る指針らしいのですが、よく分かりませんでした。。。

■ドメーヌ・ド・ラ

われわれはビッグワインを造る気概で始めた。
1haあたり55hlは取れる土地だが、20~25hlしか収穫しない。
有機栽培で人手もかかる、すべて手仕事で、収穫も手摘み。
最高のぶどうができれば醸造は簡単で大変ではない。

ぶどうを破砕せずに醗酵させる方法をとっている、破砕させないとつぶの中から醗酵が始まり、時間がかかりゆっくりと醗酵する。
ぶどうはすべて均一に熟しているわけではないので、未熟なものは醗酵せず破裂しない、タンクのなかでも選別が行われる。
1日2~3回醗酵の手伝い(ピジャージュ)をしてあげる。
ぶどうの果帽や果皮をしっかり観察してどのように変化するかを見て、料理をつくるようにワインを造っている。

抽出すぎるとドライで苦いワインになる。
また抽出しすぎはタンニンが壊されてしまい、樽との相性が悪くなる

抽出しすぎるとアタックワインになり、口に入れると幅広く広がるが余韻がなくなる
口に入れて物語を始める起承転結のあるワインを目指していて、ビッグワインは最後のフィナーレで分かる。

樽熟成しているが、ワイン専用の熟成庫を作った。
9世紀の建設手法で、基礎がなく、石灰質の土壌に樽が置いてある
船の底をひっくり返したような基礎をつくり、石灰系の土をもって石膏を流し込んでつくる。
大聖堂のようで、温度や湿度が完璧で、香りがよい。
汚染も電磁波の影響もない。
土から天につながっているワインが心地よく熟成する

■ぶどうの育成

ブドウは、春には狂ったように芽吹いて、あちこちにツルを巻きつけようとするが、それを剪定してくっつけて、おとなしくさせる。
7月末くらいには成長は止まり、秋前まではお母さんのように果実を育てようとする。
春に雨が降ると成長がとまり、8月中旬くらいまで成長して、そこから成長が止まって実をつけようとするので、タンニンが熟する期間が足りなくなる。
たくさん剪定して収量が適正になるように調整する。

■醗酵温度

高温になるほど抽出や醗酵が促進され、スピーディに進む。
限界温度は酵母が働ける温度、32℃を超えると厳しい。
28℃~30℃くらいで醗酵するとグリセロールが抽出され、ねっとり感が出る。
グリセロールを抽出するため、マセラシオンは高温の30℃くらいで行う。

■マロラクティック醗酵

マロラクティック醗酵はミステリアス。
バクテリアがリンゴ酸を食べて、乳酸に変わるので、醗酵ではなくトランスフォーメーション。

乳酸は安定した酸で、リンゴ酸は青りんごのような味で安定していない。
バクテリアがどのように反応してどの条件で行われるかは分かっているが、思うようにすることはできない。
アルコール発酵のすぐあとに始まることもあれば、2~3ヶ月かかることもある。

ステファン・ドゥルノンクール氏の醸造哲学

■ドメーヌ・ド・ラ 2012

<中本ソムリエのコメント>

若々しい、色が濃く鮮やかだが、ちょっとマットな印象で茶色っぽく二面性がある、粘性は豊か。

若いが芳香力が豊か。
ブルーベリーやカシスプラム、クミンのようなスパイス、3年目にしては豊かな香り。

味わいはどっしりしてるかと思いきや、酸がイキイキしていてボディをミディアムに引き締めている。
バランスが良い。
タンニンはキメ細かくアフターにシダやスパイス。
ドライな雰囲気もある。
今飲んで美味しい、ロオジエにグラスで置くことにした。

■ドメーヌ・ド・ラ 2011

夏が寒く、涼しかった年。
酸が効いているビンテージ。
2012は黒系果実野生のくわの実プラムのようだが、2011は酸味があり、緊張感がある。
口に含むと幅ではなく長く感じる。
タンニンが強く存在感がある。
最初は甘みあり、中間で石灰土壌独特の塩味があり、爽やかさがあるワインは飲み飽きない。

<中本ソムリエのコメント>

外観は、中心の黒みが2012年よりも明るい。

経験豊かな女性のようで、ロースト香やムスク、濡れた印象があり、焼き肉に良さそう。
土の香り、リコリス、デコリーズ 涼しい、緑や土、ふきのとう、芽吹く山菜。

酸とタンニンのストラクチャがしっかりしていて、凝縮感がある。
酸が重要で、凝縮感を軽快にしている。

■カスティヨンのぶどう栽培

カスティヨンは標高が高く、霜の害から守るために棚を高く造っている?という質問に対して、それは違って、経費を削るために収穫の工機を入れる必要があり、ブドウの背が低いと機械が入らないためである、という答え。

■ドメーヌ・ド・ラ 2010

太陽に恵まれた年。
ぶどうの成熟がありちょっと南のイメージがある。
果実、ジャム、スパイス、ショコラ。
良い斜面で熟した印象。
酸が重要だが、塩味が重要酸が前に出ているわけではない。

■ボルドーの2010年とは

毎年こうだったらいいな、という年で、安心して落ち着いていられた。
ぶどうが成長するのに合わせた最適な気候が続き、病気も出ない
熟成は完璧でビッグワインになる。
収穫量も多く手がかからない。
だれもが素晴らしいという。
ダメな年は、1年中犬のように働きづくめ。

2009年も良かったが、太陽の影響が強いエキゾチックな年。
評論家は2009年が好き。
2010年は貴重でレアな年、熟しながら爽やかさも出ている。
美味しい食べ物が欲しくなるし、飽きない。
ワインを飲む人が、2杯目に手を伸ばしているのを見ると醸造家はとても嬉しく感じる。

■シャトー・ジゴー キュヴェ・ヴィヴァ 2010

アルコール度が14.5%もあるが、熟していて優しい味わい。
粘性が強くゆっくりと降りてくる。
果実味が軽やかで動物的な香りもある、ドライハーブやセージ、ローリエ、サンディボーカー(?)。
広がりがあるボディで球体のイメージ。
強すぎず、熱くなく、心地良い。
タンニンは優しくメルローらしい優しさが出ている。

ブライ・コート・ド・ボルドーは、土壌が軽く砂が混ざっている、ド・ラは石灰岩、ジゴーは石灰小石。

メルローは丸いワイン、カベルネは長いワインになる。
アッサンブラージュで、丸みに長さを加える。

■シャトー パヴィ・マッカン 2012

サン・テミリオングラン・クリュの中でもテロワールが特殊で、最も標高の高いところにあり、粘土の割合が高い。
たくさんの酸をキープしつづけることができる。
ブルゴーニュの香りがあり、外観の分からない黒いグラスに入れると、シャンボール・ミュジニーと答えたくなる。
ボルドーの中でも最もPHが低い。

輝きがあり、澄んでいて、粘性が豊か。

ロースト香、プラム、カシス、ジャム、赤系の果実でチャーミング、重々しさがない 余韻が長く素晴らしい。
タンニンが若く収斂性がある。

新樽は4割で、ローストはゆっくり行う、あまり焦がさないけど時間はかける。
樽熟成はワインにストラクチャを与えるが、香りはつけたくない。
焦がすほどロースト香が強くなり、修正がきかなくなってしまう。

■まとめ

ステファン・ドゥルノンクールさんは、完全にワインに取り憑かれた人って感じでしたね。
ワインオタクというか、ぶどうオタク?
ぶどうと会話できるタイプの人間です。

ぶどうを破砕しないで醗酵させる事を思いついたのは、収穫前まではとても大事に育てられ宝石のように扱われるぶどうが、収穫後は除梗、破砕、プレスなどひどい仕打ちをうけるのを見て可哀想に思ったから、という理由でした。

そして、「ヴァン・ド・テロワール」と「ヴァラエタルワイン」の違い。
世界中どこでもその品種を使えば出来るワインは「ヴァラエタルワイン」。
しっかり熟成させて、収量を減らして、その土地の個性をしっかりワインに反映させたものが「ヴァン・ド・テロワール」。
なるほど、と思いました。

最近は生産者の立場が強くて、飲む方が気を使うような傾向にありますが、今回のセミナーもそんな印象でしたね。
そんな中でも、中本ソムリエはいろいろぶっ込んできてステファンさんがちょっと機嫌を損ねるような場面もありましたが、最終的には中本ソムリエのコメントに感心してようでした。
中本ソムリエ、グッジョブです。(お前が言うな!)

どのワインもグラスに少し飲んで全容が分かるようなタイプではないので、機会があればじっくり飲んでみたいですね。

その他のセミナー・試飲会

2015/04/19

シャトー・ディケム 1990

とても素晴らしいワイン会に出席できました。

ラインナップは以下の通り。

1)ギー・ミッシェル・シャンパーニュ・トラディション・ミレジム 1982
2)シャトー・オリヴィエ・ブラン 1988
3)シャトー・ディケム 1990
4)ルイ・ラトゥール コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ 2006
5)オスピス・ド・ボーヌ キュヴェ・ニコラ・ロラン 1972
6)ギガル コート・ロティ ラ・ムーリンヌ 1997

ありえない・・・

簡単ですが、テイスティングコメントを記録しておきます。

1)ギー・ミッシェル・シャンパーニュ・トラディション・ミレジム 1982

33年前のシャンパーニュ。
さすがに熟成感が強く、リンゴやシードルのような香りがあり、泡立ちは弱かったのですが、飲みやすく食事にも合わせやすい味わいでした。
新玉ねぎのペーストにバッチリよく合いました。

2)シャトー・オリヴィエ・ブラン 1988

27年前のボルドーブラン。
しかもグラーブのグラン・クリュです。
熟成感はあるものの、まだ若さを残して、フルーティな味わいでした。
ただグラスに入れて時間が経つとやや酸化の印象になっていました。
バーニャカウダにとても良くフィットしました。

3)シャトー・ディケム 1990

死ぬまでに一度は飲んでおかないと、と思っていたシャトー・ディケム。
ありがたくいただく機会に恵まれました。
25年熟成ですが、まだまだ若々しさの残るフレッシュな印象で、濃厚な蜂蜜に複雑に絡み合うフローラルやハーブ、、香りだけでもうノックアウト状態。
味わいは清らかで、深い甘みとしっかりした酸味、キレイに消えていく余韻はまさにグラン・ヴァンです。
この甘味は何にも例えられない、飲むのがもったいない、と思わせる数少ないワインですね。
ディケムに合わせたメニューはフォアグラ。
そのマリアージュはまさに夢の世界で、鳥肌が立つくらいの体験でした。
さらにゴルゴンゾーラ・ドルチェ、ゆず味のゆべし、にも合わせたのですが、それぞれ表情を変えながらもゴージャスにフィットして、懐の深さと偉大さを感じさせました。
こんなワイン、なかなか無いですよね・・・さすがです。

4)ルイ・ラトゥール コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ 2006

コルトン・シャルルマーニュって、以前飲んだときは辛くて強い印象だったのですが、ルイ・ラトゥールのこのコルトン・シャルルマーニュはとてもフレンドリーで、甘みとフルーツ感があり、後味はすっきりフレッシュ、それでいて深い味わいがありました。
飲めば飲むほど美味しさが染みてくる素晴らしいワインでした。
合わせた天然鯛のスモークにもしっかりフィットしました。

5)オスピス・ド・ボーヌ キュヴェ・ニコラ・ロラン 1972

43年前とは思えない、若々しさのある味わいで、上質な軽さとフレンドリーな甘みと果実感がありました。
普通に飲んだら43年前のワインとは思わないでしょうね。

6)ギガル コート・ロティ ラ・ムーリンヌ 1997

上質な甘みとフルーツ感のある、誰が飲んでも美味しいと言いそうなまとまり。
良いワインってホントに優しい味がしますよね。
深みと厚みのある果実感で、穏やかな味わいで飲みやすく、すっきりキレイなフィニッシュ。
ローストビーフにもとても幸せ感のある合い方をしました。

ワインも料理もとても美味しく、ただただ感謝です。
ホントにただの感想ですみません。。。

その他のセミナー・試飲会

2015/02/11

日本ソムリエ協会関東支部 第1回例会セミナー「Château Haut Bailly(シャトー・オー・バイィ) テイスティングセミナー」

Château Haut Bailly テイスティングセミナー
日本ソムリエ協会関東支部 第1回例会セミナー「Château Haut Bailly テイスティングセミナー」

協力:Château Haut Bailly

開催日:2015年2月10日(火)

時間:14:00~16:00(受付13:30~)

会場:セルリアンタワー東急ホテル B2F「セルリアンタワーボールルーム」

テーマ:「Château Haut Bailly テイスティングセミナー」

講師:
ヴェロニック・サンデルス女史
Château Haut Bailly 醸造責任者兼 General Director
田崎 真也氏
日本ソムリエ協会 副会長

久しぶりのソムリエ協会のテイスティングセミナー。
関東支部長の、ロオジェ 中本 聡文ソムリエが入り口で出迎えてくれました。
いつも素敵な笑顔を、ありがとうございます。

会場は、セルリアンタワーボールルームで、スクール形式だと定員850名の大きなホール。
定員の400名を超えて、440名の申し込みがあったそうです。
世界的にはマスタークラスのテイスティングセミナーは20~50名くらいで行うらしいですが、日本で440名も集まる事を聞いて、シャトー・オー・バイィの社長ヴェロニク・サンデルス女史は驚いたそうです。
シャトーの知名度と田崎真也副会長の人気のおかげでしょうね。

ヴェロニク・サンデルス氏は、女性で初めてペサック・レオニャン協会の会長もやられたとのこと。
田崎真也副会長について、ボルドーに銅像を立ててもいいくらい貢献してくれていると感謝していました。

まずはボルドーとグラーヴについての説明から始まりました。

■グラーヴの特徴

栽培面積は約5000haで、ボルドー全体の4.5%。
ボルドー市はグラーヴにある。
コミューンは、ペサック・レオニャンのみ。
A.O.C.ペサック・レオニャンは1987年(1986年?)の制定された。
生産量の84%が赤で、16%が白。
クリュ・クラッセ・デ・グラーヴは16銘柄で、その中の順位は無く、赤と白が認められている。

◇◇◇ 赤のみの銘柄 ◇◇◇

Château Haut-Brion
(シャトー・オー・ブリオン)


Chateau de Fieuzal
(シャトー・ド・フューザル)


Château Haut Bailly
(シャトー・オー・バイィ)


Château La Mission-Haut-Brion
(シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン)


Château La Tour Haut-Brion
(シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオン)


Château Pape Clément
(シャトー・パプ・クレマン)


Château Smith-Haut-Lafitte
(シャトー・スミス・オー・ラフィット)


◇◇◇ 赤と白が認められている銘柄 ◇◇◇

Château Bouscaut
(シャトー・ブスコー)


Château Carbonnieux
(シャトー・カルボニュー)


Domaine de Chevalier
(ドメーヌ・ド・シュヴァリエ)


Château Latour Martillac
(シャトー・ラトゥール・マルティヤック)


Château Malartic-Lagraviere
(シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール)


Château Olivier
(シャトー・オリヴィエ)


◇◇◇ 白のみの銘柄 ◇◇◇

Château Couhins
(シャトー・クーアン)


Château Couhins-Lurton
(シャトー・クーアン・リュルトン)


Château Laville Haut Brion
(シャトー・ラ・ヴィーユ・オー・ブリオン)



Château La Tour Haut-Brion(シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオン)は2006年よりChâteau Haut-Brion(シャトー・オー・ブリオン)のセカンドラベルに、Château Laville Haut Brion(シャトー・ラ・ヴィーユ・オー・ブリオン)は2009年よりChâteau La Mission-Haut-Brion(シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン)の白として、シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランになりましたので、現在は14銘柄になっています。

■シャトー・オー・バイィについて

シャトー・オー・バイィは1461年の書物に記録があり、1000年くらい前からワインを造っている歴史のあるシャトー。
1630年から4世紀にわたって畑の面積が変わらず、30ヘクタールを1区画としてシャトーの周辺で所有しているのは、ボルドーの中では珍しいことだそうです。

1945年にベルギー出身のワイン愛好家、ダニエル・サンデルスにより、サンデルス一族が所有。
1998年にロベール・G・ヴィルメールに経営が変わりましたが、ヴェロニク・サンデルスはそのまま続けて残りました。

ハーモニー・調和を大事にし、人員構成も半分が女性だそうです。
畑での作業者についても半分を女性にしているとのことでした。

土壌は砂利質、ピレネーの第三期地層、小石と貝殻でミネラルが豊富。
30ヘクタールのうち、4ヘクタールは100~120年の古樹、リュット・レゾネで栽培されています。
4ヘクタールの古樹には、カルメネールやマルベックなども含まれていて、それらが微量ながらブレンドされているそうです。
セパージュ比率では、カベルネ・ソーヴィニヨンに含めているようです。

収穫は手摘みで2回選果、ブドウ畑で選果を行うそうです。
醸造はステンレスタンクと耐熱性コンクリートタンク、マロラクティック醗酵はバリック(小樽)で行います。

醸造期間:3週間
発酵温度:30℃
樽での熟成期間:16ヶ月
新樽の使用:50%
卵白による清澄処理

木樽のメーカーは7社あり、その年の一番良いものを使用。

セカンドワインは1967年から造っていて(他のシャトーは1980年くらいが多い)1980年台にはサードワインを造りはじめました。

セカンドワインは、La Parde Haut-Bailly(ラ・パルド・ド・オー・バイィ)。
ブドウはファースト用と同様で、違いは新樽の使用比率。
ファーストは50%で、セカンドは20%前後。

サードワインは、Château Le Pape(シャトー・ル・パプ)。
ファースト、セカンドと違って、メルロー主体です。

2004年より、ROSE DE HAUT-BAILLY(ロゼ・ド・オー・バイィ)もリリースしています。
セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー50%。
個人的にはとても飲んでみたいワインです。
調べると2500円くらいなんですね。



Henry Guillier’s book “Grands Vins de la Gironde Illustrés” ではボルドーの8大ワインに選ばれています。

ラフィット、ラ・トゥール、オーゾンヌ、オー・ブリオン、マルゴーなどに並んで、シャトー・オー・バイィがリストされています。
やはり、歴史のあるシャトーなんですね。


■ラ・パルド・ド・オー・バイィ 2012

2012年は冬は寒かったが、春は湿度が高く、「花振るい」や「結実不良」などの心配があった。
8月は非常に良い気候で、日中暑くて夜は涼しく、酸がしっかりついた。
収穫は、通常10日くらいで行うが、9月27日から10月15日と長くかかった。

カベルネ・ソーヴィニヨンは畑での作業での差が出る年。

<田崎真也氏コメント>

若々しい色調で、深みがある外観。

香りは、20%の新樽によるロースト香やヴァニラ、健全な果実の印象、チェリーやブラックベリー、華やかさがあって、野ばらやスミレのようなフローラル、健全な収穫を感じさせる、カベルネの印象。

味わいは、メルローのスムーズな印象があり、タンニンと木樽のロースト香、やわらかでなめらか、ビロードのようでシルキー、若い味わいで後半の酸がエレガントなフレッシュ。
味わいのバランスが良い、タンニンの成熟度がありなめらか、12年ビンテージにしてはレベルが高い。

1980年からサードワインを造っている影響も、セカンドラベルのバランスの高さにつながっている。

<ヴェロニック・サンデルス氏コメント>

3つのキーワード、パワフル、やわらか、エレガント、を大事にしている。

■ラ・パルド・ド・オー・バイィ 2011

2011年は難しかった年。
畑の作業によりクオリティに差が出るので、テイスティングをして買わないといけない年。

<田崎真也氏コメント>

外観は熟成が進んだ色調で、黒っぽく深みがある。

香りは、果物の印象と木樽がセパレートせずに調和がとれている。メルロー65%の湿った土のような印象が前面に出ている。
土、フルーツ、木樽のロースト香が一体になっている。
カベルネ・ソーヴィニヨンの、ローズマリーやタイム、ヒマラヤ杉の樹脂、などが爽やかな印象で、バランスの良さにつながっている。

味わいは、なめらかでエレガントな酸があり、果実の味わいと、シルキーでなめらかなタンニン、アフターに複雑なフレーヴァー。
2011年は早くから楽しめるので、もうレストランのリストに載せられる。

<ヴェロニック・サンデルス氏コメント>

シャトー・オー・バイィでは、メルローは早めに収穫しフレッシュ感を出す。
代わりに、カベルネ・ソーヴィニヨンはできるだけ遅く収穫し熟成を待つ。
リスクは高く、たとえ3%の果実をそれで失っても無駄にはならず、遅ければ遅いほどよいワインになる。

2012年と2011年ではキャラクターが違い、セパージュの比率も変えている。

2009年、2010年と偉大な年が続いたが、2011年、2012年は難しい年だった。
自然はどうにもならないが、シャトー・オー・バイィは恵まれたテロワールがあるので、コンスタントに高いレベルのワインが造ることが出来て悪い年はない。

■シャトー・オー・バイィ 2012

2012年は、カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー40%。
春先の天候不良により収穫は少なく、38hl/haしか収穫できなかった。

<田崎真也氏コメント>

外観は、若々しい紫がかった、深みのある色調。

香りは、まだクローズした印象で、空気に振れさせるというよりは時間を置かないと開いてこない印象。
複雑性があり、グランヴァンにある重く沈んだ印象。
新樽比率60%はセカンドワインの3倍だが、他の香りにマスキングされている。
果実やスパイス、カベルネ・ソーヴィニヨンのメントール、木樽のヴァニラ、ナツメグ、シナモンなどが調和している。

味わいは、果実味があり、フレッシュな酸が広がる、タンニンが中盤から後半にかけて収斂性を与える。

カベルネ・ソーヴィニヨンは小石のある土壌で、日中の熱を蓄えて暖かい土壌が向いている、メルローは粘土質で冷たい土壌が向いている。
日中の熱を蓄える土壌で育ったカベルネ・ソーヴィニヨンは、スパイシーでタンニンが豊富になる。

2012年はカベルネ・ソーヴィニヨンのポテンシャルを感じる、長期熟成型のワイン。

■シャトー・オー・バイィ 2011

2011年は、カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー47%、カベルネ・フラン3%。

<田崎真也氏コメント>

香りはまだクローズしているが、2011年はメルローのキャラクターが強い。最初の印象はメルローで、果実と土のイメージで、もう少し熟成が進めば腐葉土の印象が出てくる。
新樽での18ヶ月の熟成は前面に出ていない。

味わいは、セカンドワインと同じ構成ながら、ストラクチャーがアップしている印象。
ふくよかで、まろやか、2012とは違う。

2012は酸味がありフレッシュ、存在感がある。
2011は酸味やタンニンが溶けこんで、果実のふくよかさと同調している。

2011は早くから楽しめて、2012年は少し寝かせるタイプ。

■シャトー・オー・バイィ 2008

ピュアで繊細な素晴らしい出来。
開花時期は難しい天候、7月は恵まれた夏、8月は冷涼、9月10月は最高の天候で、収穫は長くかかり、9月25日から10月23日までかかった。
この年にヴェロニック・サンデルスさんのお子様が産まれたそうです。おめでとうございます。

36hl/haの収穫量。
カベルネ・ソーヴィニヨン70%で、メルローが30%。

左岸のカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴がよく出た年で、遅く収穫されたカベルネ・ソーヴィニヨンは左岸のクラシックな特徴を出す。

<田崎真也氏コメント>

外観は、若々しく深みのある色調。

香りは、複雑でエレガント、余韻も長い。
フルーティでスパイシー、樹脂やメントールを果実がくるむようなまとまり、木樽のキャラクターは取り込まれてまだ閉じている。
香りは、熟成の進み具合によって強弱が出るが、これから強くなる少し手前にある。これから徐々に強くなっていく。

味わいは、酸味が特徴的で、数字的には2011年の方が多いが2008年の方が酸を強く感じる。
タンニンやスパイスと同調していて、フレッシュで複雑、長期熟成型の熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの印象で、トリュフやキノコにつながっていく、2011年とも2012年とも違うキャラクター。

<個人的な感想>

個人的にとっても美味しく、なめらかでエレガント、とても飲みやすかったです。

<ヴェロニック・サンデルス氏コメント>

シャトー・オー・バイィでは酸は脊髄のようなものと考えている。
1900年のビンテージを複数の銘柄で開ける機会があったが、シャトー・オー・バイィが最も美味しかったという評価だった。

■シャトー・オー・バイィ 2007

カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー26%、カベルネ・フラン4%

<田崎真也氏コメント>

スッキリしたなめらかな果実感で、口にふくんだ瞬間に美味しいと感じるワイン。
エレガントでフレッシュ、タンニンのアグレッシブさはなく、溶け込んでいる。

ボルドーは食事と合わせることを重要視し、飲み飽きないワインを目指しているが、2007年はまさに今が飲み頃。

ビンテージチャートでは2007年は敬遠されてしまうが、オフビンテージで手頃な価格で手に入る。
生産者の資質を知るには良い年。
畑での作業、選定・選果などのブドウのコンディションで左右されるので、テイスティングして買わなくてはならない年。

<個人的な感想>

この日飲んだワインの中で一番美味しかったのが2007年でした。
買ってみてもいいかな~って思ったけど、調べると10,000円以上もするのでちょっと手が届かないかも。

■2013年、2014年ビンテージについて

2013年は非常に難しい年だった。
冬が寒くて雨が多く、夏は良かったが、9月10月が湿度が高く暑く、灰色かび病のリスクがあった。
収穫量は少なく、2000ケースのみ生産。
良いブドウだけを選定したので、品質には問題ない。

2014年は、冬が良く、春も良く、夏はあまり良くなかったが、9月に気温が高く、年間通じて良い年だった。
しっかり成熟したブドウを収穫し、フレッシュでピュア、パワフルなワインが期待できる。
期待出来る年になる。

■総評

やはり田崎真也氏のコメントはとても勉強になりますね。
日頃飲めないグラン・クリュの垂直テイスティングも出来る貴重な機会です。

シャトー・オー・バイィも、今まであまり馴染みのない銘柄でしたが、2007年などは今まさに美味しくて、ファンになりました。
たまには良いワインをじっくり飲みたいものです。。。

ソムリエ協会関東支部では、またこのようなセミナーを開催する予定があるそうなので、次回も是非とも参加したいと思います。

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