ワイン展-ぶどうから生まれた奇跡-に行ってきました。
場所:国立科学博物館 東京・上野公園
開催期間:2015年10月31日(土)~2016年2月21日(日)
■一般に人には反応が薄い企画展
「ワイン展に行く」というと、ほとんどの人は「ワインたくさん飲めるの?」と聞いてくるのですが、「いや、一滴も飲めないみたい」「じゃ何があるの?」「ワインの造り方とか歴史とか・・」「ふ~ん・・どんな人が行くんだろうね?」という会話になってしまいます。
確かにワインの勉強してるような人じゃないと行かなさそうな、ちょっと特殊な企画ですよね。
東京モーターショーをやってるタイミングを選んで、空いている事を期待して行ってきました。
■チケット売り場と入り口はガラガラ
午前中早いうちに着いたのですが、チケット売り場も入り口もまったく人がならんでない、ガラガラ状態・・
展示室中にはぼちぼち人がいましたが、かなり空いてる状態で、しっかり展示は楽しめました。
展示は大きく3つのゾーンに分かれています。
1つ目はワイナリーゾーンで、ブドウの種類や栽培、ワインの醸造などを展示してあるゾーン。
2つ目はワインの歴史ゾーン。
3つ目はワインの味わい方や珍しいワインの展示ゾーンです。
■ワイナリーゾーン
1つ目のワイナリーゾーンは撮影可だったので展示物をたくさん写真に収めてきました。
ソムリエ協会教本に書いているような内容が写真やイラスト付きで説明されていて、とても分かりやすく興味が持てるように展示してありました。
ワイナリーゾーンで面白かったのは「フィロキセラの模型」「ブドウの足踏み体験」「ピジャージュ体験」。
ピジャージュは醗酵中の赤ワインの上にたまってくる果皮や茎などを櫂棒で付き沈める作業ですが、これが結構重いんですね。
ワインを醗酵させる大樽に人が入って、足で押し込んでいるような光景を写真で見ますが、確かにこれは手でやっていると結構重労働だと思います。
■ワインの歴史ゾーン
2つ目の歴史ゾーンは撮影禁止だったため写真はありませんが、8000年前のワイン発祥の地と言われるジョージア(グルジア)から始まり、ワインがそれぞれの時代でどのような扱いをされてきたか年代によって説明があり、貴重なワイン用の器も数多く展示してあって、なかなか見応えがありました。
ワインの器もいろいろな種類があって、祭礼用の杯「フィアレ」、角杯(かくはい)の「リュトン」、保存用の「アンフォラ」、古代ギリシアでワインと水を混ぜるのに使われた大型の甕「クラテル」、取っ手付きの酒杯の「キュリクス」などが展示されていました。
日本のワインの歴史も詳しく展示してあり、あまり知られていない明治政府の殖産興業によるブドウ栽培ワイン生産の試みなども当時の資料などと一緒に展示されていました。
ワインは8000年前、ビールは5500年前に造りはじめられましたが、ワインはブドウだけで出来るものなので「発見」、ビールはデンプンの糖化のプロセスがあるので「発明」と言われているそうです。
■ワインを楽しむゾーン
3つ目のワインを楽しむゾーンでは、テイスティングの方法や香りの分類の紹介や、様々なタイプのワイングラスの展示、香り体験、貴重なワインの展示などがあり、その中でも面白かったのは「香り体験」。
「バラ」「イチゴ」「グレープフルーツ」「ピーマン」の4つの香りが体験出来て、その後にシークレットの香りがあり、それを当てるゲームになっているのですが、最後のシークレットの香りは4つの香りのどれかを熟成させたもの。
もちろん熟成とはいっても、いわゆる熟成香の一種をプラスしているだけなのですが、プラスしている香りが分かれば元の香りも分かる感じです。
ちょっと迷いましたが、ちゃんと正解しました。\(^-^)/
ネタバレはしませんので、会場で挑戦してみてください。
ワイングラスの説明では、シャンパーニュグラスの変遷が解説されていました。
シャンパーニュが発明された当時は口が広い「クープ」タイプで、これは甘いシャンパーニュにパンなどを浸して食べたからだそうです。
それから泡がキレイに見える細長い「フルート」タイプが主流になりましたが、現在ではシャンパーニュの香りを楽しむために「たまご型」タイプが多くなってきているようです。
ワイン展示は、海底で発見された世界最古のシャンパーニュや、2000年前栽培されていた古代品種をその当時の栽培方法で再現してワインを造る「ヴィッラ デイ ミステリ」、ドン・ペリニヨンのアートラベル、シャトー・ムートン・ロートシルトのアートラベルの展示などがありました。
■まとめ
あまり期待しないで行ったせいか、かなり面白く見ることができました。
ワインエキスパートの試験を受けようと思っている人にはオススメですね。
ソムリエ協会教本に文字だけで書いているような内容が、実際の道具や写真、製造工程の映像などで紹介されていますので、とても勉強になるのではないでしょうか。
■過去のセミナー・ワイン会の記事はこちら
2015/11/07
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