2010/07/06

2009年 ボルドー・プリムールワイン試飲会 レポート

 

株式会社徳岡主催の、ボルドーのプリムールワイン試飲会およびセミナーがあったので、参加してきました。

2009年 ボルドー・プリムールワイン試飲会

主催:株式会社 徳岡
場所:ヒルトン東京
日時:2010年7月6日(火)13時~17時
会費:2000円

2000円で30種類のボルドーグラン・クリュクラスのワインが飲み放題?と聞いて、即座に申し込んでしまいました。

しかも、シャトー・ド・ヴァランドローの、ジャン・リュック・テュニュヴァン氏が講演を行うという、一粒で二度美味しいセミナーです。

第二部だったので15時前にホテルに到着。
受付を済ませると、会場は二つあって、試飲会場と、セミナー会場が分かれてました。

セミナーは、椅子だけで50名くらい入るか、というちょっと狭めのスペース。

逆に試飲会場はたっぷりとスペースをとってありました。

今回、私のような素人さんでも入れるようになったので、申し込みが殺到したみたいですね。

■プリムールって美味しいの?

わたくし庶民なので、ボルドーのプリムールなんて、当たり前ですが、飲んだことありません。

風の噂では、プリムールのワインは、渋くて堅くて飲めたものじゃない、って聞いてました。

はたして、ブリムールを試飲するポイントは何?ってのが今回の試飲会に参加したテーマです。

まず会場に入って、あれこれあるボルドーワインの中から最初にいただいたのは、シャトー・グリュオー・ラローズ。
サンジュリアンのグラン・クリュ第2級ですね。

試飲用のグラスに底から1cmくらい注いでもらい、飲んでみたら、普通に美味しい。

もちろん若いのですが、もうワインとして十分いただけます。

なーんだ美味しいんじゃん、と思って、手当たりしだい飲んでみましたが、ほとんどのワインはすでに美味しく飲めました。

今回の試飲会、最大の目玉は、シャトー・ド・ヴァランドロー。

おお、置いてある!
と、そそくさともらいに行ったら、となりの、ヴィルジニー・ド・ヴァランドローを注がれてしまいました。

「くそっ、やられた。」と思いながらも、よくよく考えると十分高いワインなので、じっくりと楽しみました。

ちなみにヴァランドローのラインアップが置いてあるテーブルには、テュニュヴァン氏が自ら、お客さんにワインを注いでました。
優しそうな感じの方でしたね。
フランス語が分かったら話しかけたのに・・

で、再度シャトー・ド・ヴァランドローにチャレンジ。

今度はちゃんと注いでもらって、これもまたじっくりと味わわせていただきました。

テュニュヴァンのラインアップで、バッドボーイもあって、試しにいただいたのですが、これがなんと、アルコール醗酵の途中のものらしく、まだほとんどジュース。

この状態で、ワインの良し悪しが判断出来る人は相当のプロフェッショナルなんでしょうね。

ちなみに個人的にヴァランドローファミリーのワインはあまり好きじゃないんですよね。
やたら濃くて、強い。

ワインに優しさとかやすらぎを求めてしまう私には、ちょっと合わないタイプ。

個人的に好きだったワインと印象に残ったものをあげておきます。

◇シャトー・グリュオー・ラローズ
 Chateau Gruaud Larose

最初に飲んで、これを基準にして行こうと思っていたのですが、後々から考えるとこれが一番美味しかったような気がします。
時間があったら飲み直したかったのですが、時間切れでダメでした。

◇シャトー・ローザン・セグラ
 Chateaau Rauzan-Segla

とても軽めの仕上がりだったのですが、華やかさがあって、ボルドーらしい印象でした。
もっと飲みたかった。

◇ブラン ド ヴァランドローNO.1
 BLANC DE VALANDRAUD NO.1

白ワインで飛び抜けて美味しかったのがこれ!
ヴァランドローの赤は好みじゃないんですけど、これはピッタリはまりました。
香りはマスカットみたいなまだ未熟な印象でしたが、味わいは刺激的でいて、とてもクリーン。
上質なワインに良く感じる、口の中で消えていくような感覚がありました。
感動する味わいでしたね。
また飲みたい!!!でもこれ、普通に買うと高いぞー!
プリムールで買おうかしら・・

◇シャトー・ラスコンブ
 Chateau Lascombes

試飲をもらいに行ったら、外人さんが注いでくれて、丁寧に、「Chateau Lascombes」って言ってくれたので、サンキュー、って返しておいたのですが、なんとそれが醸造責任者の、ドミニク・ベフヴ(Dominique Befve)さん。
失礼しました!
まあ、知ってても何も会話出来ませんけどね。
カベルネ・ソーヴィニヨンの印象がとても強かったですが、メルローと半々くらいのセパージュです。

◇シャトー ラフォン・ロシェ
 Chateau Lafon-Rochet

プリムールにして、やわらかで、まろやかで、フィネスを感じる完成度の高いワインでした。
でもこの段階で完成してたらヤバいんじゃないの、って気もしますが・・

■プリムールって大変なんです。

セミナーでは、(株)徳岡 代表取締役社長 徳岡豊裕氏、ワインジャーナリスト 山本昭彦氏、シャトー・ド・ヴァランドロー ジャン・リュック・テュニュヴァン氏、シャトー・ラスコンブ ドミニク・ベフヴ氏がそれぞれ話しをしました。

2009年はボルドーにとってグレートヴィンテージで、銘柄によってはここ数十年で一番いい年だそうです。

中でも印象に残ったのは、徳岡豊裕氏の「プリムール試飲会をフランス国外で開催すのは、通常考えられない事なんです」という内容でした。

何となくプリムールって、セラーにあるまだ熟成中のワインを何樽か持ってきて試飲させる、みたいなイメージがありますが、実はそんなに簡単な事ではありません。

まだこの段階では、セパージュ毎に醗酵作業が進んでいて、ブレンドして瓶詰めされている訳ではありません。

プリムールで試飲させる為には、品種ごとに熟成させているワインをブレンドして、さらに瓶詰めして、空輸するというとても大変な作業なんです。

しかも品質は不安定だし、長持ちはしないので、プリムールのワインは、1週間で廃棄するという約束で輸入してるそうです。

しかも今年は黙ってても売れる、当たり年。

プリムールの提供を渋るシャトーも多かったみたいですね。

そんな大変な状況で、こういったプリムール試飲会を行ってくれる徳岡さんには感謝です。

■プリムールは投機?

プリムールって、要は先物取引なので、投機の対象として購入する人も多いようです。

購入時の価格から、数年後にどのくらい価格がアップしたか、というようなデータも提供されてます。

平均してもかなりのアップ率なので、優良な投機対象として注目されているみたいですね。

ボルドーワインの価格が上がっている一つの要因として、中国の購買力が上がった事が言われています。

セミナーの質疑応答の時間でも、中国のボルドープリムール購入は、飲むためか、投機のためか?という質問が出ていました。

テュニュヴァン氏とドミニク・ベフヴ氏は、投機の方がやや多いのでは、と答えていましたが、最後にどのワインも飲まれる事を望んでいる、と付け加えていました。

■2009年は世紀のヴィンテージ

2009年は2005年に続く、世紀のヴィンテージと評価されているようです。

テュニュヴァンさんは、ワイン造りを初めて以来、最高の年だったと言っていました。

そのため、一部のワインは価格が高騰していて、プリムールで1本10万円を超えているものも出ています。

こういった良作の年は、セカンドワインや、評価の低いシャトーなどが狙い目で、例えば2009年のパビヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーは、2006年のシャトー・マルゴーを超えている、という評価もあるようです。

10万円を超えているようなワインは投機の対象としての意味合いも強いので、飲む対象としては、セカンドクラスで実力のある、価格がこなれているワインをおすすめします、と徳岡の社長も話されていました。

ちなみにどんなワインが10万円を超えているかというと、メドックグラン・クリュ第一級の5本はすべて10万円越え。
その5本の中で一番高いのが、シャトー・ラフィット・ロートシルトの151,130円。

それよりも高いのが、サンテミリオン第1特別級Aの2本、シャトー・オーゾンヌと、シャトー・シュヴァル・ブラン。
それぞれ、196,330円と、166,200円。

そして今回のリストの中で最も高く、20万円を超えているのが、シャトー・ル・パンの271,650円。
ちなみにペトリュスはリストに載っていませんでした。

■まとめ

ボルドーのプリムールを何十種類も一度の飲めるというのは大変貴重な機会ですね。

フランス国外で行う事が難しいと言われている、このような試飲会を開いてくれた徳岡の社長に感謝です。

今回飲んだワインが10年後、20年後にどうなっているのか、その時にお金持ちになっていたら是非飲んでみたいと思います。

今回のプリムール購入期限は、7月11日(日)。

欲しいワインは数本あるけど・・・どうしようか悩み中です。

2 件のコメント:

apricot さんのコメント...

ワイン試飲会いいですね。
私も一度は行ってみたいと思っているのですが、情報を見つけたときには終了していることが多いです。(^^;

どうやって情報を入手していますか?良かったら教えてください。

にしのたけし さんのコメント...

apricotさん、コメントありがとうございます。
会社の引越しなどでバタバタしてて返信遅れてしまいました。
私の情報源は大きく2つで、一つはソムリエ協会から送られてくる、機関誌とか、イベントの案内。
二つ目は、Googleアラートで、「ワイン」に関するニュースを受け取ってます。
http://www.google.co.jp/alerts
便利ですよ。

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