2009/04/20

マクシヴァン 佐藤陽一氏によるワインセミナー

マクシヴァン 佐藤陽一氏によるワインセミナーを受講してきました。


■開催概要

ピーロート ワールド ワインフェアでのイベント

春のワインイベント~創立40周年記念
「季節を彩る香りゆたかなワインたち」
東京ミッドタウン B1

マクシヴァン 佐藤陽一氏によるワインセミナー
1,500円 試飲・グラス付


■受講した感想など

会場は、東京ミッドタウン。
ガラス越しに中庭の見える、明るい吹き抜けのB1イベントフロアの一角でした。

並べられたテーブルの正面には大きなプラズマテレビがあって、「ま、まさか、ビデオセミナー?」「1,500円って安いからなー」と心配していたら、佐藤陽一さん登場で一安心。
ダンディーで、存在感があって、男前で、さすが世界レベルのソムリエって感じでした。

テーブルにはワインの名前の入ったシートと、なんと小さなプラカップ。


「プラカップですか?」と思っていたら、早速、佐藤陽一さんのフォローが。
グラスで提供したかったのだけど、会場の都合でグラスを洗う設備が無いらしく、苦肉の策でこうなってしまいました、とのこと。
ご本人も、これじゃ香りも分かりませんね、とやや不満そう?

世界初、プラカップによるテイスティング技法をお伝えするセミナー、などと、会場の空気を和らげる発言もされていましたね。
ちょっと皮肉?なんて思いましたが、ププッ。

さらにお土産らしき紙袋が。


そういえばグラス付きって書いてあった事を思い出してちょっと得した気分。
グラスだけじゃなくて、ソムリエナイフも付いていて、いいんですか?って感じです。

ただ、プラカップに注がれるワインはほんのちょびっと。

会場で試飲をしているので、そこで飲んでね、って意味なんでしょうね。

最初に、「今日、初めてお酒を飲む人はいますか?」と、佐藤陽一さんから質問がありました。

アルコールに免疫の無い人がいないか気を配っているんだな、さすがそこまで気を使うのが世界レベルのソムリエだ、なんて思っていたら質問の趣旨が違いました。

その日初めてのアルコールは、体が慣れていないので、一口目は金属的な味わいがする、というのです。

「あー!やっぱりそーかー!」
と改めて納得してしまいました。

ブラインドテイスティングの時も、最初の一口は強く感じるんですよね。
どんなワインも、アルコールの印象が強い、とメモしてしまいます。

ソムリエの場合は、お客さんに提供するときに、「最初の一口は酸を強く感じます。」と一言伝えてからサーブすると良いとアドバイスしていました。

ブラインドテイスティングの時は、最初の一口目は少なめにして、そのまま口を慣らし、次の二口目で評価すると良いかもしれません。
一口目は欠点を探しやすい、とも言ってました。

酸味に関しても、二口目以降で舌が慣れてくると、酸が舌に乗ってくるような感覚になると言ってましたが、ふむふむって感じ。

また、白ワインをテイスティングするのに、まずフルーツに例えてみる、という話もありました。

確かにテイスティングするときに、とても良い手法かもしれません。
モモもあるし柑橘系もあるし、じゃなくて、グレープフルーツなのかモモなのか、はっきり分ける事で個性が見えてくると思います。
なかなか素晴らしい、アドバイスですね。

さらに、ワインの個性が無くなってきたことに関して、ぶどう栽培の過程で以前は剪定作業を家族で行い、そこに個性が出ていた、今は家族で行わず、人をやとって行うという事も個性がなくなっている原因のひとつになっている、という話をされていました。

さすがに佐藤陽一さんです、セミナー受けてよかった。

■テイスティングワイン

ワインは6種類、アルゼンチン、南アフリカ、スペイン、フランスとバラエティに富んでいます。

【1】
トソ スパークリング ブリュット
Toso Sparkling Brut
2100円

アルゼンチンのスパークリング。
アルゼンチンとフランスの交流は多く、お互いの国を愛しているそうです。
お互いの国に無い良さが、それぞれあるからだそうです。

洋ナシ、ちょっと時間がたって酸味が増したリンゴ。

ブドウ品種はシャルドネで、いわゆるブラン・ド・ブラン。
泡が抜けてもシャルドネとして飲めるので、次の日でも楽しめる。
残ったら料理用ワインとして使っても雰囲気が出る。

【2】
ボーランド シャルドネ
Boland Chardonnay
1890円

ボーランドって、ポーランドの誤植かと思っていたら、南アフリカの生産者の名前でした。
冷やして、冷たい料理に合わせると良い。
マリネやサラダ、ハムやゼリー寄せなど。

暑いときは最初のグラスは氷を入れてもいい、との事。

いままで、ワインに氷を入れた事はありませんが、今度夏に試してみようかな。

【3】
パソ デ セニョランス
Pazo de Senorans
4410円

品種はアルバリーニョ。
地域はスペイン、リアス・バイシャス。
棚づくりのクラシックな栽培法。
とても上品な香りで、青いメロンのような印象。
エストラゴンやセルフィーユなどのやわらかい野菜。
あとはライチが特徴的。

余韻が長いので、噛む時間の長いもの、たとえば天ぷらなど。
余韻の長さと、噛む時間の長さを合わせるというのは初めて聞きました。
なんか、納得です。


【4】
ラ クロワ ド ペレンヌ
La Croix de Perenne
10500円

生産者は「モンドヴィーノ」にも出てきた、ベルナール・マグレさん。
パーカーポイント90点。
世界のワイン162本(何の選定基準か分かりませんが)にも選ばれたそうです。

ヴァニラ、焦がし系。
完熟のぶどうを使い、新樽で熟成。
タンニンはなめらかでボリューム感がある。
飲み終わったあとは乾いた感じ。
舌をシルクでふき取ったようなと言ってました。
舌をふき取ったような乾いた感じって、なるほどねー。
2005年の当たり年のワインなので力があり、これから寝かせて美味しくなる。
今はまだ樹脂っぽい、木の味わいが勝っている。
アルコール度は15%。

【5】
トソ マルベック リザーヴ
Toso malbec Reserve
3990円

無農薬。
マホガニーや、黒檀。
濃縮感があり、ストラクチャーがしっかりしている。
すでに飲みやすい。


【6】
レガード ムニョス ガルナッチャ
Legado Munoz Garnacha
2100円

今回、一番印象に残ったのがこのワイン。
甘い口当たりなんですが、飲み終わるとドライなんです。
佐藤陽一さんもすすめていました。

甘口というだけで飲まない人が多いけど、残糖を残しながらすっきりと仕上げたこのようなワインはもっと評価されるべき。

イチジクのタルトや、シナモン、ナツメグ。
甘みとスパイシーさは、ハトやカモなどに合わせると良い。
酸味があってスパイシー。
冷やして飲むと美味しい。

確かに、ベタベタしないカラッとした甘口はなかなか素敵で、これからの季節に良さそうです。
なにしろ、甘口は気持ちがほころぶとでもいいましょうか、ほっとしますよね。

ちょっと気になった、1本でした。

■総評

ワインはちょっぴりでしたが、佐藤陽一さんのコメントは盛りだくさんで、ここには書ききれません。

そういえば、佐藤陽一さんの書いた、「ワイン テイスティング」という本のチラシも置いてありましたが、宣伝はほとんどありませんでした。

ご自分の本の宣伝をするのはあまり好きじゃ無いんでしょうかね。

折角なので、今度買ってみようかな、ちょっと高いけど。

PS.
買いました!素晴らしい内容です。超オススメ!(レビュー)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

始めまして。yusukeと申します。Toso malbec Reserveで調べまわっていたところ、こちらのHPへたどり着きました。お手ごろな値段でToso malbec Reserveをご購入されたようでして、私も探しているのですが、どちらでご購入されましたでしょうか。もし宜しければ教えて頂けたら幸いです。

にしのたけし さんのコメント...

どうもこんにちは、yusukeさん。

トソ マルベック リザーヴ
Toso malbec Reserve
3990円

ですが、ピーロートのワインフェアでのお値段です。
確かにピーロートさんのサイトにいっても、今は4500円くらいしますね。
フェア価格だったという事かもしれません。
お役に立てずすみませんでした。

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