モンドヴィーノ(映画)
面白さ : ★★★★★(5)
資格試験役立ち度 : ★☆☆☆☆(1)
オススメ度 : ★★★★☆(4)
監督: ジョナサン・ノシター
時間: 136 分
製作年 : 2004年
製作国 : フランス=アメリカ
この映画は3年前の劇場公開時に見に行き、かなり衝撃を受けました。
一度見ただけでは、内容を咀嚼出来ず、DVDが発売になってから何度か見直しています。
この映画の核になるのは間違いなくミシェル・ロランです。
そして強烈な悪役を活き活きと演じて(?)います。
映画俳優かと思うほどの存在感があり、それに対する良き農民たちの存在感をとても薄く感じさせてしまうほど。
でも、よく観察するとこの映画には、善も悪も存在しません。
すべての人が自分のポリシーに沿って行動し、そしてどこかに負い目を感じているようにも見えます。
ワイン産業の在り方について問題提起しながらも、人間ドラマを描き出しているところにこの映画の面白さがあるのだと思います。
考えさせられるポイントをあげてみました。
・ワインのグローバル化はワインの個性を無くし、世界中で同じテイストのワインを産み出す。
・大手の生産者と流通、マスコミ、評論家がマーケットを支配し価格を吊り上げている。
・ロバート・パーカーは封建的なワインの世界に民主主義的な価値観をもたらした。
・ワインにとってのマキアージュは新樽でヴァニラ風味を付け化粧をほどこす事、それによってワインは魂を失う。
・いい評価がもらいたくて本来色の薄いピノ・ノアールすら醸造手法で濃いワインに改造してしまう。
・ミシェル・ロランがコンサルティングすることで、どこのワインでも世界中に受け入れられるワインになる。
・ミシェル・ロランとパーカーは世界中のワインをポムロル化しようとしている。
・シャトー・キルヴァンはマルゴーでありながら、ミシェル・ロランのコンサルティングでポムロル化してしまった。
・標準に届かなくても個性のしっかりあるワインを欲しいと思っているワインラヴァーも多い。
・同じ木になる果物でも日の当たる側と当たらない側では味が違う、それがテロワールである。
・スーパートスカーナは、ミシェル・ロランであり、モンダヴィであり、ポムロルである。
・ボルドーの伝統のあるシャトーですら、新しい技術を取り入れたすぐに飲めるワイン造りを始めている。
・アメリカでは、フランスの文化よりイタリアの文化の方が好まれる。
いろいろ考えさせられて、とても良いドキュメンタリーですね。
やや誘導的な部分が気になりますが、豪華な出演陣は一見の価値ありです。
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モンドヴィーノ [DVD]
自らソムリエの資格を持つジョナサン・ノシター監督が、ヨーロッパ、アメリカ、南米の3大陸を巡り、ワイン業界の裏側と世界的なワインブームの真相に迫ったドキュメンタリー。ワイン大国・フランスで論議を巻き起こし、大ヒットを記録した話題作。
【登場したワインリスト】
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ドメーヌ・ド・スーシュ
Domaine de Souch
コルンブ
Columbu
シャトー・ル・ゲイ
Chateau Le Gay
マ・ドゥ・ドマ・ガサック
Mas de Daumas Gassac
シャトー・クリネ
Chateau Clinet
ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン リザーブ
Robert Mondavi Cabernet Sauvignon Reserve
スタグリン・ファミリー・ヴィンヤード スタグリーノ
Staglin Family Vineyard Staglino
ドメーヌ・ド・モンティーユ ヴォルネィ
Domaine Hubert de Montille Volnay
ロピトー ムルソー
Ropiteau Meursault
シャトー・ムートン・ロートシルト
Chateau Mouton Rothschild
オーパス・ワン
Opus One
シャトー・キルヴァン
Chateau Kirwan
シャトー・プティ・ヴィラージュ
Chateau Petit Village
シャトー・ヴァランドロー
Chateau Valandraud
シャトー・パプ・クレマン
Chateau Pape-Clement
フレスコバルディ ポミーノ
Frescobaldi Pomino
フレスコバルディ ラマイオーネ
Frescobaldi Lamaione
アンティノリ ティニャネッロ
Antinori Tignanello
オルネライア
Ornellaia
イル・ボッロ
Il Borro
イサネット・ビアンケッティ&イナルド・テデスコ
Isanette Blachetti & Inaldo Tedesco
ドメーヌ・サン・ペドロ・ヤコチュヤ
Domaine San Pedro de Yacochuya
トロンテ アントニオ・カベサス
Torrontes Antonio Cabezas
2008/12/08
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