2013/02/20

ヴェガ・シシリア ウニコ 1969

ヴェガ・シシリア ウニコ 1969
Vega Sicilia Unico 1969

スペイン:カスティーリャ・レオン州:DOリベラ・デル・ドゥエロ
アルコール度:13%(1970年)
ブドウ品種:ティント・フィノ70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、メルロー+マルベック10%(1970年)

ワイン会で、ウニコ2000年ビンテージとの垂直、アリオン2001年との水平でいただきました。

【外観】

ラベルはカビだらけで、ワインの液漏れのような痕があったり破れていたり、これはダメかもって感じ。
でも、レストランサンパウの菊池ソムリエの見立てでは、液面がそれほど下がっていないので、品質は問題無いのでは、とフォロー。確かに見るところが違いますね。

コルクは、しっかりワイン色に染まっていて、嫌な香りはまったくありません。
というか、フルーツ感のある、心地良い香りを持っています。
コルク自体が美味しそうな感じ。


菊池シェフのプロの技で抜栓。
グラスに移すと、とても美しいルビー色です。
若いワインではこの色調は出せません。
見ているだけで、うっとりするくらい、素晴らしい。
良いワインは、熟成すると、澄んだ深い透明感が出てきますね。

【香り】

香りは、華やかで、ボルドーのグラン・ヴァンの印象。
もちろん熟成感はありますが、まだまだ若い印象を持っています。
フランスのオールドヴィンテージワインよりも、より若さを保っているような気がします。
熟成感が香りに深みを加えていて、土のような印象が、懐かしさを感じます。
湿った感じではなく、カラッとした清潔な感じ。
子供の頃の郷愁を感じる土の印象というか、人それぞれで、懐かしさを感じていたようです。

【味わい】

口あたりは、神秘的なくらい、優しく、ふわっと消えるイメージ。
心地良いフルーツ感があって、チャーミングな印象すらあります。
とてつもないポテンシャルを秘めている事が分かりますね。
44年経ても、まったく下り坂ではありません。
まだまだこれからいけそう。


【所感】

場が和んでくると、女性からは「このワイン、エロオヤジみたい。」という興味深い感想が出て来ました。
エロオヤジといっても、ジローラモさんよりは、成熟した色気のある、藤村俊二さんだそうです。

良いワインほど、素直で飲みやすく、誰にでも親しまれるような懐の深さを持っていますよね。
素直で飲みやすいって、簡単なようで、実はとてもむずかしいですね。

ボルドーの1級格付けや、スーパーセカンドで、こういった、とてつもなく深い世界観を感じたことはありますが、それに匹敵するか、それを超えてます。
さすがにスペインの至宝と呼ばれることはありますね。
口に入れた瞬間から、フィニッシュ、アフターまで、非の打ち所がありません。

菊池ソムリエが、40年前の水をブドウが吸い上げ、それがこうして今飲まれている事が素晴らしい、とコメントされていましたが、実に含蓄のある言葉です。
40年まえの水と土のおかげで、こうして今美味しく飲めるんですね。
今造られているワインも、40年後にこんなに美味しく飲めるのかしら。
そう思うと、本当にワインは一期一会ですね。

サンパウの菊池ソムリエが、2000年のヴェガ・シシリア ウニコを持ってきてくださいました。
素晴らしいお土産、本当にありがとうございました。

コレド日本橋のスペイン料理「サンパウ」。
素敵なソムリエさんがいますので、みなさん是非お出かけください。

そうそう、このワインとても素晴らしかったのですが、1つだけ気になる点がありました。

ウニコは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどのボルドーの品種が入っているのが特徴ですが、どうしても、ボルドーのイメージに感じてしまうんですよね。

スペインの至宝であることは間違いないですが、スペインワインの代表と考えると、ちょっと違う?
それとも、ボルドーとスペインは、技術交流も盛んだったので、もともと似ているって事?
まあ、美味しいワインってみんな、同じ方向に向かってしまうのかもしれませんね。

垂直、水平のテイスティングも行いましたので、感想を記しておきます。

◇ヴェガ・シシリア ウニコ 2000

なめらかな口あたり、深い香り。
当たり前ですが、十分に美味しいワインです。

1969年に比べると、ややヤンチャな印象。
落ち着きがないというか、まだうちに秘めた情熱を持っている感じ。
これから長期間熟成出来る、ポテンシャルを感じます。

一緒に飲んでいた女性は、若々しい印象、やや荒削りな感じが、1969年よりは好みと評価していました。
なるほど、年配者は熟成した落ち着きを好み、若い女性は荒削りでも将来性に魅力を感じる、って事でしょうか。
年齢による好みの違いって面白いですよね。

若い女性にワインをすすめる時は、荒削りでも若さを感じるタイプくらいが良いのかも。

◇ボデガス・イ・ビニェードス・アリオン 2001

ウニコに比べると、澱がかなりあります。
というか、ウニコは澱が少なめで、細かいですね。

テンプラニーリョ独自の、やや重い、鼻を突くような圧力を感じます。
とてもスムーズな飲みくちですが、後味にやや収斂性のある渋みがありますね。
アルコール度の高さもあって、人によっては、「辛い」と感じるみたいです。

ウニコと比べられてしまうと、どうしても否定的な感想になってしまいますが、このワインはウニコより前に開けて、これで十分って感じた美味しいワインでした。

【まとめ】

44年熟成のヴェガ・シシリア ウニコを飲むという、本当に貴重な機会をいただきました。

「ワイン持つ力」をいろいろな意味で再認識させられましたね~。
ワインが40年経ってもまったく衰えないという力、人に感動を与える力、人を結びつける力。
感動を分かち合ったみなさん、またご一緒しましょう。

■スペシャルサンクス

南青山4人の食卓
https://www.facebook.com/aoyama4ninshokutaku

レストランサンパウ
http://www.santpau.jp/

料理研究家 加瀬 まなみさんの「いっしょに!ワイン」
http://blog.nikkeibp.co.jp/wol/winemanami/

■楽天ショップへのリンク

[1969] ウニコ/ヴェガ・シシリア 750mlUnico Vega Sicilia

ヴェガ・シシリア・“ウニコ”[2000]年・D.O.リベラ・デル・ドゥエロ・ボデガス・イ・ヴィネドス・ヴェガ・シシリアVEGA SICILIA“UNICO”[2000] Bodegas y Vinedos Vega Sicilia

※サイトより引用
スペイン最高峰!高級フルボディ辛口赤ワイン!!
スペインの「至宝」と称される最高級ワイン!ワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏に「引っ張りだこのこの高価なワインのウニコ Unicoは、オーク樽でゆっくりと熟成を続ける。12~15年たったものが最良。」と絶賛し、★★★★4つ星満点!
なんとロバート・パーカー氏は満点5つ星生産者に挙げ、「一貫してスペインで最も偉大なこのワイナリーは、わくわくするようなワインを生み出し続けている」と絶賛!!
ブドウの出来の良い年しか造られない“ウニコ”!!この[2000]年でワインアドヴォケイト満点近い驚異の97点獲得!(#189(2010年6月))スペイン権威評価誌ペニン誌2010年版でこのウニコの2000年が96点で大絶賛!高評価!スティーブン・タンザーの「インターナショナルワインセラー」でも驚異の95点獲得!!
ニール・ベケット氏「死ぬ前に飲むべき1001ワイン」の中で、1970年もののヴェガ・シシリアが登場!(なんと25年目にリリースされた)このワインについて「ヴェガ・シシリアが真のスペインの頂点に君臨するワイナリーであることを疑う人はいないだろう。色は深く、くらくらするような芳香を放ち、ヴェルヴェットのような質感で、新鮮で清澄、滑らかで鮮烈、バランスが取れ優美、複雑で純粋、輪郭のはっきりした深く長い余韻」と絶賛!!スペインがこれまで生み出したものの中で最高のワインであると多くの人が認めている至宝!!(飲み頃~2020年ずばり50年の寿命)ずばりスペインワインの王と呼ぶに相応しい風格と威厳を備えた、究極のフルボディ赤ワイン!!の大人気ヴィンテージが、インポーターさんとの協賛プライス!!今回爆発ヒット!インポーターさん最後のロットが限定で極少量入荷!

アリオン[2002]年・ボデガス・イ・ビニェドス・アリオン ALION [2002] Bodegas Y.Vinedos Alion

※サイトより引用
ベガ シシリアが伝統を重んじる醸造方法に基づいているのに対し、アリオンは近代的なボルドー・クリュ・クラッセのスタイルで醸造します。最新の設備と新樽を多用し、約14ヶ月間フレンチオーク樽で熟成させます。その後、瓶内熟成を約12ヶ月間行います。
ボデガ内での一定の熟成期間を経たワインのみリリースするという姿勢には、本家ベガ・シシリアと同様に一切の妥協を許さない真摯さが感じられます。また、リリース当初からワインスペクテーター誌で年間トップ100の中の1本に選ばれるなど、これからますます飛躍を予感さsるポテンシャルを秘めています。
ウニコとは性格がことなり、インターナショナルな印象が強く、果実味の濃いワインになっていますが、新樽の香りと葡萄のアロマが完璧なバランスで上損する、世界トップレベルの評価を受けている赤ワインです。

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