(1)サンジョベーゼ90% メルロー10%(伊:トスカーナ州:トスカーナI.G.T.:07)\1500
(2)メルロー主体(仏:ボルドー地方:コート・ド・カスティヨンAC:02)\1450
(3)カベルネ・ソーヴィニヨン(チリ:セントラル・ヴァレー:08)\1350
(4)グルナッシュ50%、シラー30%、サンソー20%(仏:プロヴァンス-コルス地方:ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォークリューズ:06)\950
(5)カルメネール(チリ:セントラル・ヴァレー:マウレ・ヴァレー:09)\758
の5本のうちから1本を開けてもらい、ブラインドテイスティング。
【外観】
若さを感じる、濃いガーネット。
色はほとんど黒だがフチはバイオレット。
2~3年くらいの熟成感を感じる。
粘性はやや強く、脚があとからゆっくりと降りてくる。
艶っぽく、テラテラした外観。
【香り】
凝縮感のある、カシスジャムのような香り。
硫黄の印象。
グリーン系の印象。
少し悪臭系もまざる。
香りは強めで、ボリューム感を感じる。
グラスを回すと、鶏小舎のような悪臭系のニュアンス。
ヴェジェタル。
少しフローラル。
【味わい】
残糖をほんの少し感じるセック。
フルーティで甘みを感じるアタック。
酸味はやや大人しく、締りがない。
タンニンは柔らかく溶けている。
アタックは穏やかでゆったりと入って、そのまま上がらず、低空飛行でフィニッシュまでいく感じ。
熟成の谷間を思わせる。
後味は少し乾く。
余韻は短い。
【判定】
濃い色調だが、どれも外せない。
熟成感は2~3年くらいの印象なので、2006、2007年あたりが怪しい。
香りはまずフルーツだが、伝統産地を思わせる少し悪臭系の混ざった複雑な印象。
サンジョヴェーゼかグルナッシュあたり。
味わいは華がなく、力が落ちている印象。
ワインに覇気がない。
不景気で売上が落ちている会社の社員みたい・・・
改めて香りを嗅ぐと、イタリアよりはローヌの印象。
時間がたつとフローラルの香りがたってきた。
ファイナルアンサーで、グルナッシュ、シラー、サンソー
で、ブー
なんとイタリア、サンジョヴェーゼ。
【総評】
アンティノリ サンタ・クリスティーナ 2007
ANTINORI SANTA CRISTINA 2007
伊:トスカーナ州:トスカーナI.G.T.
アルコール度:13%
ブドウ品種:サンジョベーゼ90% メルロー10%
リカーランドトップで、1500円で購入。
イタリアらしくない、というと語弊があるのかもしれませんが、フランスワインのような印象のワインです。
深みがあるというか、しっとりした華があるというか。
楽天的で、素直に美味しい、ってタイプではありません。
品種のイメージとしては、熟成されたサンジョヴェーゼに時々感じる、動物小屋のような香りを感じます。
そこにフローラルの印象が混ざって、深みと複雑性を出しています。
グラスに少しだけ残っても、しっかりと香ります。
この感じは、3000円を超えるワインの印象ですね。
なんだかジワジワと良くなってきました。
それほど主張が強くなくて、大人しい印象なので、家庭の食事にも合わせやすそうです。
今日は豚肉のステーキ、和風ソース。
ちょっとソースが合いませんでしたね。
付け合せのオニオンリングは意外とOKでした。
このワイン、目指しているのはボルドータイプのような気がします。
スミレのような香りがあって、何も選択肢が無くて飲んだらボルドーと勘違いしそう。
良いところはあるのですが、やっぱりちょっと地味な味わいなんですよね。
ちょうど熟成の谷間じゃないかと思ってしまうのですが、やっぱりワインに覇気が無い。
実力はあるのに、ヤル気が無いって感じ。
何なんでしょうね?
何か焦点が絞れてないというか、本格的な部分がありながら、カジュアルな印象もあります。
メルロー10%は、どういう効果を出しているんでしょうか?
フルーティさを増している、という気もするし、ワインとしての芯を作っているような気もします。
ただ、この10%がこのワインの性格を大きく左右してるんでしょうね。
時間が経つと、上品な印象からカジュアルな印象に変わってきました。
地が出て、さばけてきたって感じ?
それにしても、なかなか捉えにくい性格のワインですね。
ワインとしては、よく出来ていると思います。
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