
ワイン通が嫌われる理由(わけ)
レナード・S. バーンスタイン (著), Leonard S. Bernstein (原著), 渡辺 照夫 (翻訳)
単行本: 238ページ
出版社: 時事通信社 (1996/08)
商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.6 cm
瀟洒なフレンチレストラン。
ワインリストが何人かの手を経て、ワイン通のあなたのところへ回ってきます。
ワイン通としての名声を傷つけないために慎重にワインを選び、「このワインを頼むよ。」と注文をします。
「今日のワインは何だい?」誰かがそう尋ねるでしょう。
「ボージョレさ。」軽くあなたは答えます。
「おいおい、君ともあろう人が?今日は魚料理だよ。」
あなたは言い放ちます。
「白の、ボージョレさ。」
自分の知識をひけらかしながら、無知な質問者を食事の間じゅう、ずっと笑いものにできるでしょう。
と、いったような、こんなワイン通にはなりたくない、けどちょっとやってみたい、みたいな話がたくさん詰まっている本です。
ワイン通を皮肉りながら、そのお馬鹿な生態を愛情を込めて描写しています。
ちなみにこの話はこう続きます。
「もう1本白を頼むとして、シャトー・ヌフ・デュ・パプにまさるものなんてあるの?」
裏技用ワインを発掘し、それにケチをつけられないだけの自信を築くために、ワイン通たちの研鑽の日々が続くのです。
1996年発行の単行本で、今のワインの常識とはやや違っている部分もありますが、ある程度ワインの品種、銘柄に詳しい人にとっては、思わずニヤリとしてしまうエピソード満載です。
夫婦でシャトー・ディケム訪問した際のエピソードも秀逸です。
イケムに敬意をはらい、口をつける前にオーナーと高尚なワイン談義を20分ほど行い、色を見て、香りを楽しみ、さていよいよグラスに口をつけようとした時、彼を総毛立たせる事件が起こります。
まあ、その結末は本を読んでのお楽しみという事で。
飲み会ネタでも十分受けそうですね。
もちろん、ワインの知識が深まる情報も満載です。
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