2018/03/18

シャンパンの教え 葉山 考太郎 (著)



シャンパンの教え
葉山 考太郎 (著)

単行本: 202ページ
出版社: 日経BP社
発売日: 1997/9/27
サイズ: 17.8 x 11.4 x 2 cm

ワイン全体の事を勉強しようと思ったら覚えることが大量にあって大変だけど、シャンパーニュだったら覚える範囲も狭いので、少し覚えておけばレストランでカッコつけられるぞ、って本ですね。

ソムリエ協会教本が教科書だとしたら、これはエッセーや小説といった感じで、とても読みやすく分かりやすい文章ですらすら読むことができます。

実際に呼称資格試験を受けようと思っている人も、教科書だけだと行き詰まることもあるでしょうから、このように砕いて説明してくれている本は気分転換にも良いのではないでしょうか。

構成が良く考えられていて、映画や演劇などにからめながら軽妙でシンプルにまとめられた說明が続くのですが、もう少し詳しく知りたいという人には下段に詳しい説明が乗っているんですね。



たとえば製法については「シャンパン方式」と文中ではシンプルに書いてあるのですが、「メトード・シャンプノワーズ」「メトード・トラディッショネル」といった呼び方については下段で補足しているので、概要をさらっと知りたい人は上の段だけ読み進めて、気になったワードだけ下段で詳しい說明を読む、という使い方ができます。

ワインの話って、言葉を正確に記述しようとしたり、例外の補足をする必要があったりで、つっかえつっかえ進むケースが多いのですが、この方法によりスムーズに話が進んでいく印象があります。

ロゼ・シャンパーニュのくだりは面白いですね。
人気のなかったロゼ・シャンパーニュがもてはやされるようになったきっかけや、製造方法についてちょっと皮肉も入れながら分かりやすく說明してあります。

ドン・ペリニヨンの名前の由来も正しく說明してあって、シャンパーニュ製造の歴史をシンプルにわかりやすく說明してあります。

お勉強に役立つ以外にも、007で登場したシャンパーニュの変遷の話とか、酒場ネタとして使える話も多く掲載されています。
シャンパーニュだけで、これだけネタがあるんだ~って感じ。



作者の葉山 考太郎さんは、ワインのことを良く知っていて良く調べているし、さらに面白く読みやすくまとめてあって、シャンパーニュ入門書としては抜群ではないでしょうか。

最後の付録「シタゴコロのディナー直前予習講座」という問題集も実践的?でおすすめです。

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